予防接種」カテゴリーアーカイブ

【令和5年度のインフルエンザワクチンの予約と接種について】

 こんにちは、院長の黒田です。

 前回のブログでは、9月中旬時点で既に、「新型コロナ感染症」と「インフルエンザ感染症」が非常に増えており、インフルエンザ感染症は季節外れのこの時期に、「流行入り」が全国の都道府県で発令されていることを御説明いたしました。
 この秋~冬の発熱では、ワクチン接種歴に関わらず、新型コロナウイルスとインフルエンザの見分けが重要となり、また、両者の合併例も考えられます。両者では、治療薬も、自宅療養期間も異なります。
 したがって、今シーズンは両方のウイルス感染症を念頭にいれておく必要があります。
 (下記のバナーをクリックで、前回の院長ブログが閲覧出来ます)


 また、当院では、今年の上記の異例な状況に対応するために、「インフルエンザワクチン」の予約と接種を早期から行うことにいたしました。接種できない特別な理由のある人を除き、できるだけ多くの人に、早期からインフルエンザワクチンを受けていただくことをお勧めいたします。

 既に上記の情報をご存知の方も多数いらっしゃり、みなさんの感染症への意識も高まっていることから、9月中に既に予約をされている方が多数いらっしゃいます(9月22日現在で既に100名弱です)

 接種の予約時期が遅くなり過ぎて「接種を希望しても医療機関にワクチンの在庫が無く、受けられなかった」、予約するのを忘れて「1回目の接種を受けたのに、2回目が受けられなかった」という事が無いように、早めに接種の計画を立てていただくことをお勧めいたします。

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【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml   2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml   原則として1回接種(特別な事情があれば2回接種)
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体が増えず、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
  但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種が可能な場合があります。

             
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【ワクチン接種のおすすめ時期】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に、最も抗体が上昇します。2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう。

 

接種間隔は2~4週とされていますが、免疫効果を考えると、2回目は4週間後が望ましいです)。

 以下は当院として推奨するワクチン接種スケジュールの例です。

今年は、例年とは異なり、既に「インフルエンザの流行」が始まっていますので、できるだけ早期に接種を済ませておいた方が良いと思われます。
 遅くとも11月末までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします
 
(12歳以下)
  1回目 10月中旬~11月上旬
       ↓(2~4週後)
  2回目 11月中旬~12月上旬
 
(13歳以上)
   10月中旬~12月上旬
 
 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78.8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
 つまり、最後の接種が11月上旬の方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。

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【他の予防接種との間隔】
  
 令和2年からは、接種間隔の決まりが変わりました。
「生ワクチン→生ワクチンだけは、間隔をあける必要があります」が、それ以外は間隔をあける必要が無く、同時接種も可能となりました。
 インフルエンザワクチンは「生ワクチンではなく、不活化ワクチン」ですので、他の一般的な予防接種との間隔を気にせずに、接種することが出来ます。
        
詳しくは、下記の資料をご覧下さい。
(下記資料は、クリックで拡大します)
 ワクチン接種間隔        
     

 また、「新型コロナワクチン」と「インフルエンザワクチン」の同時接種も可能です。
 但し、「同時接種を行う場合には、それぞれ違う腕に接種すること」とされております。
片腕に「インフルエンザ」、もう片方の腕に「新型コロナ」と、両腕に接種することになり、接種による副反応(痛み、腫れ、発熱など)も、2つのワクチンによる物が同時に生じることになります。
 よって、法律的には同時接種は可能ですが、当クリニックとしては、「インフルエンザ」と「新型コロナ」のワクチン接種を同時に受けることは、推奨は致しません

 (下記の画像をクリックすると拡大表示されます


     (厚生労働省のHPより)




【妊娠中・授乳中の接種】
 
 妊婦または妊娠している可能性のある場合には、「予防接種の有益性が、危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」となっています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。
 妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします
 「接種は問題が無い」と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

 
 一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」というタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。    
 授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、授乳を続けながら治療薬(タミフル・イナビルなど)は使用出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします。 
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【当クリニックの予防接種】
 
(1)詳細は、HPのお知らせをご覧下さい。
  (下記バナーをクリックすると、HPのお知らせが閲覧出来ます)

 
 
(2) 経鼻ワクチンは行っていません
    安全性を確保するために、従来型の注射ワクチンのみです。経鼻ワクチンが「推奨されるワクチン」として国が認可した場合には導入いたします。来年度には、特定の年齢を対象に、正式に認可される予定です。

(3) 小児は、誤接種を防ぐために「母子手帳」を必ず持参して下さい
    持参の無い場合、安全を重視して、接種はできません。
 
(4)接種開始日は、10/10(火)です
   『完全予約制』です

     (在庫がなくなり次第終了いたします)

(5) 予約方法

    今シーズンから、予約の利便性を高めるために
   
「インフルエンザワクチンのインターネット予約」
    
10/1から開始いたします。
      24時間、スマホやPCから予約が可能ですので、とても便利かと思いますので、是非ご利用ください。

     10/1までは、
     ・従来通りに電話や受付窓口で予約(診察時間内)。
     ・インターネット予約に備えて、必要な情報だけ入力しておき、
      10/1以降には、インターネットで日程を予約するだけの状態にしておく。
     のどちらかになります。
 

 

 (上記バナーをクリックで、予約画面へ)

 

(6) 価格

【3歳以上】 

 シリンジ製剤(3800円)

(特徴)
・水銀の保存料無し
・既に注射器に入っているので無菌状態
・すぐに接種出来る製剤で異物混入がない
・1人で使いきりなので清潔
・万が一、都合による日程変更の際も、取り置き可能
・流通量が少なく、上記のメリットがあるので、価格が割合高い

 

【6ヶ月~3才未満】

【公費助成を受けられる方】  

 バイアル製剤 (2600円)

(特徴)
・水銀の保存料あり
・1本のバイアルから必要量を注射器に詰める
・バイアルからワクチンを抜き取る際に異物混入があり得る
・1本のバイアルを、複数の他人と使い回します
・体調不良や風邪で、日程変更や接種不可の際は、予約はキャンセルになります。
 (空きがあれば、再度予約日程の取り直しは可能)
・流通量が多く、原価が安いので、接種価格も安い。
公費助成を利用する方で、シリンジ製剤を希望の方は、電話で御相談ください




【公費助成を受けられる方】

期間は、令和5年10月1日~同6年1月31日(在庫が無くなり次第終了)
・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません
必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします
インフル公費5
 
窓口での負担は、1,300です。 
7インフル公費
 非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料です。
 期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
 苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
 市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬です。
体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほど宜しくお願いいたします。
 
 その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の窓口またはお電話でお願いいたします。詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。

(下記のバナーをクリックで、厚生労働省からの情報が閲覧できます)
厚労省  
 (厚生労働省のホームページ)

 

(7)その他

  診察時間内に、窓口又はお電話にてお問い合わせください)  
   (TEL) 0144-53-5800

    hospital_uketsuke

【令和4年度のインフルエンザワクチンの接種のお知らせ】

  こんにちは。院長の黒田です。
 
 7月から始まった「新型コロナウイルス感染症の第7波」が、10月初め現在でもまだ収束せず、苫小牧市内で1日200人近い新規感染者が出ております。

 一部のマスコミ報道で『オミクロン株は症状が軽い』という情報が出ており、各種の行事やイベントが開催されるようになりましたが、苫小牧市内のコロナ病床は依然として満床に近く、重症者が多数出ています。

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでおりますが、まだ一度も接種を受けていない方や、2回目の接種までは受けても3回目以降の追加接種を受けていない方も多数います。10月以降の追加接種が、国が補助してくれる最後の接種となるという噂もあります。初回接種、追加接種を受けていない方は、10月以降の接種をご検討下さい。

 

 さて、この冬の「インフルエンザ」の流行予測ですが、

2022-2023年シーズンは、過去2年と違って、インフルエンザの流行の可能性が高いです」。

理由は以下の通りです。

 

今年、南半球でインフルエンザが大流行したから

 北半球の冬季のインフルエンザ流行の予測をする際には、南半球の状況を参考にします。

 オーストラリア政府は定期的にインフルエンザの発症状況を報告していますが、2020年および2021年は、わが国と同様に、インフルエンザの患者さんは極めて少数でした(下記のグラフでも読み取れないぐらいです)。

 しかしながら、2022年は4月後半から報告数が増加し、例年を超えるレベルの患者数となり、新型コロナ感染症と相まって、医療の逼迫が問題となりました。

 (下のグラフをクリックすると拡大表示されます

  

  (オーストラリア保健省のHPより)

今後は、海外からの入国が緩和され人的交流が増加しますので、国内へウイルスも持ち込まれると考えられ、わが国においても、今秋から冬には、同様の流行が起こる可能性があります。

 オーストラリアで本年度に検出されたインフルエンザウイルスのうち、約80%はA(H3N2)、約20%がA(H1N1)だったため、わが国でもA(H3N2)香港型の流行が主体となる可能性があります。A型はB型に比べて、シーズンの比較的早期から流行し、強い症状を呈するのが特徴です。

発症してもワクチンによる一定の重症化防止効果は期待でき、65歳以上の高齢者においてA(H3N2)型感染による入院防止率は37%であったと報告されています。

 

2.過去2年間にインフルエンザの流行が無かったため、免疫力が低下しているため

 過去2年間、国内でのインフルエンザの流行がなかったために、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下していると考えられます。

そのため、一旦感染がおこると、特に小児を中心に社会全体として大きな流行となるおそれがあります。

 

以上より、

今シーズンは、過去2年間とは異なり、「インフルエンザ」と「新型コロナ第8波」が同時流行して、いわゆる『フルロナ』という重複感染が懸念されています。

    

 (上記バナーのクリックで記事を読めます

 

 この秋~冬の発熱では、ワクチン接種歴に関わらず、新型コロナウイルスとインフルエンザの見分けが重要となり、また、両者の合併例も考えられます。両者では、治療薬も、自宅療養期間も異なります。

したがって、今シーズンは両方のウイルスを念頭にいれておく必要があります。

接種できない特別な理由のある人を除き、できるだけ多くの人にインフルエンザワクチンの積極的な接種をお勧めいたします。

       


 既に上記の情報をご存知の方も多数いらっしゃり、みなさんの感染症への意識も高まっていることから、今年もインフルエンザの予防接種を早期から希望する方がいると予想されていました。実際、9月中にたくさんの方から予防接種に関する問い合わせがあり、既に予約をされている方が多数いらっしゃいます

 接種の予約時期が遅くなり過ぎて「接種を希望しても医療機関にワクチンの在庫が無く、受けられなかった」、予約するのを忘れて「1回目の接種を受けたのに、2回目が受けられなかった」という事が無いように、早めに接種の計画を立てていただくことをお勧めいたします。



【今年のワクチン供給量】

 下記のグラフの通り、今年の供給量は、過去最大量となります。

 但し、上記の流行予測から、接種希望者もたくさんいらっしゃいますので、医療機関で確保したワクチンが早期に無くなったり、

ワクチンの供給は徐々に行われていくことから、希望する時期に接種が出来ないことや、接種可能な時期には既にインフルエンザが流行し始めていることも予想されます。

また、12歳以下では、1回目の接種を11月中には終える必要がありますが、この時期にはワクチンの供給量が、まだが少ないと考えられます。

これらを踏まえて、お早めにワクチン接種の予約をされることをお勧めいたします。

 

 (下のグラフをクリックすると拡大表示されます

  
   (厚生労働省のHPより)



【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml   2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml   原則として1回接種(特別な事情があれば2回接種)
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体が増えず、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。
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【ワクチン接種のおすすめ時期】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に、最も抗体が上昇します。2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。

 以下は当院として推奨するワクチン接種スケジュールの例です。
 遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします
 
(12歳以下)
  1回目 10月下旬~11月上旬
       ↓(4週後)
  2回目 11月下旬~12月上旬
 
(13歳以上)
   11月上旬~12月上旬
 
 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78.8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
 つまり、最後の接種が11月上旬の方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。最後の接種が12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。

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【他の予防接種との間隔】
  
 令和2年からは、接種間隔の決まりが変わりました。
「生ワクチン→生ワクチンだけは、間隔をあける必要があります」が、それ以外は間隔をあける必要が無く、同時接種も可能となりました。
 インフルエンザワクチンは「生ワクチンではなく、不活化ワクチン」ですので、他の一般的な予防接種との間隔を気にせずに、接種することが出来ます。
        
詳しくは、下記の資料をご覧下さい。
(下記資料は、クリックで拡大します)
 ワクチン接種間隔        
     

昨年までは、「新型コロナワクチン」も注射生ワクチンと同様の扱いで、接種の前後2週間は、他のワクチン接種が出来ませんでした。

下記は「昨年」の厚労省からの通知です。

 (下記の画像をクリックすると拡大表示されます

新型コロナワクチンの接種間隔
     

 しかし、今年からは、「新型コロナワクチン」と「インフルエンザワクチン」の同時接種は可能と変更になりました。

 (下記の画像をクリックすると拡大表示されます
     (厚生労働省のHPより)

 

 但し、「同時接種を行う場合には、それぞれ違う腕に接種すること」とされております。

片腕に「インフルエンザ」、もう片方の腕に「新型コロナ」と、両腕に接種することになり、接種による副反応(痛み、腫れ、発熱など)も、2つのワクチンによる物が同時に生じることになります。

 よって、法律的には同時接種は可能ですが、当クリニックとしては、「インフルエンザ」と「新型コロナ」のワクチン接種を同時に受けることは、推奨は致しません


当クリニックでは、「新型コロナワクチン」も、「インフルエンザワクチン」も受け付けていますので、予約・日程の相談が可能です。
窓口もしくは下記の電話で、遠慮無くご相談ください。

 (TEL)0144-53-5800 (診察時間に受け付けています)
   medical_chuusya_girl

 

【妊娠中・授乳中の接種】
 
 妊婦または妊娠している可能性のある場合には、「予防接種の有益性が、危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」となっています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。
 妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします
 「接種は問題が無い」と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

 
 一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」というタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。    
 授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、授乳を続けながら治療薬(タミフル・イナビルなど)は使用出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします。 
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【当クリニックの予防接種】
 
(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今回のシーズンもごく少量しか製造されていません
 妊婦さんや、水銀が気になる方、一つのワクチン容器から複数人数分を取り分けて使うことが気になる方、などのために、少量のみ確保しています(無くなり次第終了します)。
  シリンジタイプ ←使い切りタイプは稀少。

(2) 経鼻ワクチンは行っていません
    従来型の注射ワクチンのみです。経鼻ワクチンが「推奨されるワクチン」として国内で認可された場合には導入を検討いたしますが、現状では行っていません。

(3) 小児は、誤接種を防ぐために「母子手帳」を必ず持参して下さい
    持参の無い場合、安全を重視して、接種はできません。
 
(4)接種開始日は、10/17(月)です
   『完全予約制』です

     (在庫がなくなり次第終了いたします)
    
   (TEL) 0144-53-5800
  診察時間内に、窓口又はお電話にてお問い合わせください)
    hospital_uketsuke
      

(5) 価格と回数
 
【生後6か月以上 3歳未満】 
 
    バイアルタイプ  ←  終了しました
 2600円

2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後がお勧めです)
必ず、『母子手帳』をご提出ください



【3歳以上 13歳未満】
水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
 バイアルタイプ シリンジタイプ
 3200円   3800円   
 ↑ (あと2人分)      ↑(あと3人分

2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)
小児は、必ず「母子手帳」をご提出ください(小学生は、できれば提出して下さい)




【13歳以上】
水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
バイアルタイプ シリンジタイプ
3200円       3800円 
 ↑ (あと2人分)       ↑(あと3人分
 
・原則として1回接種です 。
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
  但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種が可能な場合があります。


【公費助成を受けられる方】

期間は、令和4年10月1日~同5年1月31日(在庫が無くなり次第終了)
・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません
必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします
インフル公費5
 
窓口での負担は、1,300です。 
7インフル公費
 非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料です。
 期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
 苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
 市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬です。
体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほど宜しくお願いいたします。
 
その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の窓口またはお電話でお願いいたします。
詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。

(下記のボタンをクリックすると、厚生労働省からのインフルエンザに関する情報が閲覧できます)
厚労省  
 (厚生労働省のホームページ)

【令和3年度のインフルエンザワクチンの接種のお知らせ】

  こんにちは。院長の黒田です。
 
 今年も、「新型コロナウイルス感染症」で、従来の生活が一変したままでした。
ただ、新型コロナウイルスのワクチン接種が確実に進んでおり、11月末までには、希望する全ての方への2回接種が終了する見込みです。
 ワクチン2回接種の証明書を発行して、海外渡航や飲食店への出入りの条件にしようという動きもあるようですが、既に3回目接種についても、世界的に議論されています。
 早く、マスクを外して外出できて、学校行事や、お祭りや各種イベントが、以前のように出来るようになることを願っています。
 私も微力ながら、当クリニックでの個別接種だけで無く、集団接種会場にも出向して、早くこの地域の感染がおさまり、集団免疫ができるよう、協力させていただいています。

 また、当クリニックでは、新型コロナ感染症対策をできる限り行って、安全に診察を受けていただけるように工夫しております

下記の写真をクリックすると、詳細が表示されます
TEC感染対策
      
 さて、今年も「インフルエンザ」の予防接種の時期になりました。
 上述の「新型コロナウイルス」の影響で、みなさんの感染症への意識が高まり、今年もインフルエンザの予防接種を早期から希望する方がいると予想されていました。実際、9月中にたくさんの方から予防接種に関する問い合わせがありました。
 当クリニックでは、例年以上に早く、夏頃にはワクチン確保の準備を進めておりました。

 接種の予約時期が遅くなり過ぎて「接種を希望しても医療機関にワクチンの在庫が無く、受けられなかった」、予約するのを忘れて「1回目の接種を受けたのに、2回目が受けられなかった」という事が無いように、早めに接種の計画を立てていただくことをお勧めいたします。


【今年のワクチン供給量】

 下記のグラフの通り、今年の供給量は、昨年よりも大きく減ります。製造量が少なければ昨年比で77%程度まで減り、多く製造できたとしても84%まで減る予定です。
 「供給量=流通量」ではありませんので、実際の流通量は、昨年比で60%程度ではないかと予想しています。
 いずれにしても、今年のワクチンの流通量は、昨年よりも大幅に減少します
 (下のグラフをクリックすると拡大表示されます

21/22インフルワクチン供給量の見込み
  

 ワクチン供給量の推移予想ですが、下記のグラフの通り、12月初めまでは例年以上に少ないです。12歳以下では、1回目の接種を11月中には終える必要がありますが、この時期にワクチンが非常に少ないことが分かります。
 また、12月初め以降も、例年よりもかなり少ない量しか供給されません。医療機関でも十分な量のワクチンの確保ができず、しかも早い時期に在庫が無くなって接種を終了することが予想されます。
 このため、今年は早い時期にインフルエンザの予防接種の予約が必要だと思われます
下記のグラフをクリックすると、拡大表示されます
   
21/22インフルワクチン供給量の見込み(週次)
       (厚生労働省のHPより)



【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml   2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml   原則として1回接種(特別な事情があれば2回接種)
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体が増えず、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。
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【ワクチン接種のおすすめ時期】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に、最も抗体が上昇します。2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。

 以下は当院として推奨するワクチン接種スケジュールの例です。
 遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします
 
(12歳以下)
  1回目 10月下旬~11月上旬
       ↓(4週後)
  2回目 11月下旬~12月上旬
 
(13歳以上)
   11月上旬~12月上旬
 
 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78.8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
 つまり、最後の接種が11月上旬の方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。最後の接種が12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。

 151015-img06  141029-img3        

 

【他の予防接種との間隔】
  
 令和2年からは、接種間隔の決まりが変わりました。
「生ワクチン→生ワクチンだけは、間隔をあける必要があります」が、それ以外は間隔をあける必要が無く、同時接種も可能となりました。
 インフルエンザワクチンは「生ワクチンではなく、不活化ワクチン」ですので、他の一般的な予防接種との間隔を気にせずに、接種することが出来ます。
        
詳しくは、下記の資料をご覧下さい。
(下記資料は、クリックで拡大します)
 ワクチン接種間隔        
     
 但し、今年は、「新型コロナウイルスのワクチン接種」があります
新型コロナワクチンの接種の前後2週間は、他のワクチンの接種が出来ません

 
下記の画像をクリックすると拡大表示されます

新型コロナワクチンの接種間隔
     (厚生労働省のHPより)

 例文の通りで、11/1に新型コロナワクチンの1回目の接種を受けると、11/15まではインフルエンザの予防接種は受けられません。そして、仮に11/15に接種をしたとすると、その後さらに2週間が経過した11/29までは、新型コロナワクチンの2回目の接種は受けられません。

 新型コロナワクチンは2回接種する必要です。
・「ファイザー社のワクチン」は接種間隔が3週間なので、その間にインフルエンザワクチンを接種するのはできません。
・「モデルナ社のワクチン」は接種間隔が4週間なので、ぴったり真ん中の1日のみはインフルエンザワクチンの接種は可能です(そこまで厳密に出来るか不安ですよね)。

当院としては、早めに新型コロナワクチンの2回接種を終了し、その後2週間経過してから、インフルエンザの予防接種を受けていただきます
これから、新型コロナワクチンを受けられる方は、早めに接種を行い、11月にはインフルエンザの予防接種を受けられるようにしましょう。

・11歳以下は、新型コロナワクチンの接種の対象外ですので、大丈夫です。
・13歳以上は、新型コロナワクチンの2回目接種の2週間後から、受けられます。
問題は12歳で、どちらも2回ずつ、合計4回の接種が必要です。
 苫小牧市では10月8日(金)までに、新型コロナワクチンの接種券が発送されます。
 接種券が届き次第、できるだけ早く、コロナワクチンの予約と2回の接種を行い、
 その2週間後からのインフルエンザワクチン2回分の予約も必要です。


【12歳に対する、スケジュールの一例を考えてみました】
① 10/12(火)  新型コロナ1回目(ファイザー社)
② 11/2(火)  同2回目・・・①の3週間後
③ 11/16(火)  インフルエンザ1回目・・・②の2週間後
④ 11/30(火)~12/14(火)  同2回目・・・③の2~4週間後

当院では、「新型コロナワクチン」も、「インフルエンザワクチン」も受け付けていますので、合計4回分の予約・日程の相談が可能です。
窓口もしくは下記の電話で、遠慮無くご相談ください。

 (TEL)0144-53-5800 (診察時間に受け付けています)
   medical_chuusya_girl

 

【妊娠中・授乳中の接種】
 
 妊婦または妊娠している可能性のある場合には、「予防接種の有益性が、危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」となっています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。
 妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします
 「接種は問題が無い」と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

 
 一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」というタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。    
 授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、授乳を続けながら治療薬(タミフル・イナビルなど)は使用出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします。 
  151015-img07  baby_junyu[1]
     




【当クリニックの予防接種】
 
(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今回のシーズンもごく少量しか製造されていません
 妊婦さんや、水銀が気になる方、一つのワクチン容器から複数人数分を取り分けて使うことが気になる方、などのために、少量のみ確保しています(無くなり次第終了します)。
  シリンジタイプ ←使い切りタイプは稀少。

(2) 経鼻ワクチンは行っていません
    従来型の注射ワクチンのみです。経鼻ワクチンが「推奨されるワクチン」として国内で認可された場合には導入を検討いたしますが、現状では行っていません。

(3) 小児は、誤接種を防ぐために「母子手帳」を必ず持参して下さい
    持参の無い場合、安全を重視して、接種はできません。
 
(4)接種開始日は、10/18(月)です
   『完全予約制』です

     (在庫がなくなり次第終了いたします)
    
   (TEL) 0144-53-5800
  診察時間内に、窓口又はお電話にてお問い合わせください)
    hospital_uketsuke
      

(5) 価格と回数
 
【生後6か月以上 3歳未満】 
 
    バイアルタイプ←終了しました
 2600円

2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後がお勧めです)
必ず、『母子手帳』をご提出ください



【3歳以上 13歳未満】
水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
 バイアルタイプ シリンジタイプ
 3200円   3800円   
    ↑終了しました       1人で使い切りの安全タイプ

2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)
小児は、必ず「母子手帳」をご提出ください(小学生は、できれば提出して下さい)




【13歳以上】
水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
バイアルタイプ シリンジタイプ
3200円       3800円 
    ↑終了しました       1人で使い切りの安全タイプ
 
・原則として1回接種です 。
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
  但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種が可能な場合があります。


【公費助成を受けられる方】

期間は、令和3年10月1日~3年1月31日(在庫が無くなり次第終了)
・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません
必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします
インフル公費5
 
窓口での負担は、1,300です。 ←終了しました 
7インフル公費
 非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料です。
 期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
 苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
 市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬です。
体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほど宜しくお願いいたします。
 
その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の窓口またはお電話でお願いいたします。
詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。

(下記のボタンをクリックすると、厚生労働省からのインフルエンザに関する情報が閲覧できます)
厚労省  
    (厚生労働省のホームページ)

【令和2年度のインフルエンザワクチンの接種のお知らせ】

  こんにちは。院長の黒田です。
 
 今年は、「新型コロナウイルス感染症の世界的流行」のため、生活様式が一変してしまいました。
 仕事では、出勤調整やリモートワークが当たり前になり、学生は登校できない日々が続き、行事や大会はほぼ中止。世界中で人の往来が無くなり、誰もが感染予防策を考えて、実行するようになりました。
 1年前との今頃とは、生活様式が一変してしまいましたが、いつかは以前のように元に戻るのか、あるいは全く新しい生活が根付いていくのか、誰にも分かりません。
 目に見えない恐怖感を抱いていても何も変わらないので、誰もが出来る様な感染予防策を普通に実践していくしかないのかな、と感じています。
 
 最近の傾向ですが、当院では「めまい」で来院される方が非常に増えています。心身のストレスが原因で生じる一過性のめまい感の方がほとんどですが、内耳が原因のめまいの方も少なからずいらっしゃいます。
また、新型コロナウイルスを恐れて外出や受診を控えることで、難治化・重症化した状態で、耳・鼻・のどの病気で来院される方もいらっしゃいます。
 季節の変わり目で気温も下がっていきますので、風邪を引く方も増えています。また、マスクが出来ない乳幼児では、中耳炎の合併が増えてきました。
 
 当クリニックでは、新型コロナ感染症対策をできる限り行って、安全に診察を受けていただけるように工夫しておりま
一般的な感染予防策を行うことはもちろん大事ですが、体調不良時には、我慢しないで医療機関に御相談くださいますよう、お願いいたします。
       ugai_tearai  
      
 さて、今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。
 上述の「新型コロナウイルス感染症」の影響で、感染症への意識が高まり、今年はインフルエンザワクチン接種を早期に希望する方が増えると予想されています。実際、9月中にたくさんの方から予防接種に関する問い合わせがあり、当クリニックも、例年以上に早期にワクチンを確保して準備を進めておりました。
 時期が遅くなり過ぎて「接種を希望しても医療機関にワクチンの在庫が無く、受けられなかった」、予約するのを忘れて「1回目の接種を受けたのに、2回目が受けられなかった」という事が無いように、早めに接種の計画を立てていただくことをお勧めいたします。



【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml   2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml   原則として1回接種(特別な事情があれば2回接種)
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体が増えず、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。
       medical_yobou_chuusya_baby[1]        


 

【ワクチン接種のおすすめ時期】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇します。2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。

 以下は当院として推奨するワクチン接種スケジュールの例です。
 遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします。
 
(12歳以下)
   1回目 10月下旬~11月上旬
        ↓(4週後)

   2回目 11月下旬~12月上旬
 

(13歳以上)
   11月上旬~12月上旬
 
 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78.8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
 つまり、最後の接種が11月上旬の方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。最後の接種が12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。
       151015-img06  141029-img3


 接種の時期に関しては、今年は厚労省から、以下のような「接種時期ご協力のお願い」が来ております。65歳以上の方が、確実にワクチン接種を受けていただけるようにするための依頼です。
当クリニックも、原則として以下の通りで予約を受付する予定ですが、ワクチンの在庫は十分にありますので、特別な事情のある方は予約時に御相談ください。
 
10/1〜    65歳以上の方
           60-64歳(慢性高度の心・腎・呼吸機能不全者)
10/26〜  全ての方

ワクチン接種の時期
   (上記資料は、クリックで拡大します)




【他の予防接種との間隔】
  
 今年の10月1日より、予防接種の間隔に関して、大きな改正があります。以前は、不活化ワクチン・生ワクチンともに、必ず間隔をあけて接種を行っていました。しかし、今年からは「注射生ワクチン同士だけ間隔をあける必要があります」が、それ以外は間隔をあける必要が無くなり、同時接種も可能となります。
 インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」ですので、今年からは、他の予防接種との間隔を気にせずに、接種することが出来ます。
        141029-img4
詳しくは、下記の資料をご覧下さい。
 ワクチン接種間隔        

     (上記資料は、クリックで拡大します)


 

【妊娠中・授乳中の接種】
 

 妊婦または妊娠している可能性のある場合には、「予防接種の有益性が、危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」となっています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。
 
 但し、『妊婦がインフルエンザに罹患すると、気管支炎・肺炎などの重篤な合併症を併発しやすく、妊娠週数とともにリスクが増大します(心肺機能が悪化して入院するリスクは、妊娠14~20 週で 1.4 倍、27~31 週で 2.6 倍、 37~42 週で 4.7 倍)。さらに妊婦がインフルエンザに感染すると、自然流産・早産・低出生体重児・不当軽量児・胎児死亡が増加すると言われています。
 
 現在日本で使用されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、理論的に妊婦・胎児に対して問題はなく、米国疾病予防局および米国産婦人科学会は、インフルエンザ流行期間に妊娠予定(妊娠期間に関係なく)の女性への不活化インフルエンザワクチン接種を推奨しています』
(以上、日本産婦人科学会による産婦人科診療ガイドライン-産科編2017より)。
 
 つまり、日本の産婦人科学会では、積極的な推奨も禁止もしていない状態です(アメリカでは推奨されています)。よって、妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします「接種は問題が無い」と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

 一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」というタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。    
 
 しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、授乳を続けながら治療薬(タミフルなど)を使用は出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。  
  151015-img07   baby_junyu[1]


 


【授乳中のインフルエンザ治療】

 授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと言われています。
 そして、抗インフルエンザ薬(タミフル、イナビルなど)は母乳中に移行すると言われており、投薬中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。
        
  151015-img08   

 



【今年のワクチン供給量】
 

 今年の供給量は、昨年の製造量より7%増、昨年の実際の使用量と比較すると12%増です。しかし、医療機関が在庫できるワクチン数は昨年とほぼ同数と見込まれています。
     (下のグラフをクリックすると拡大表示されます)
  
   ワクチンの供給量

   ワクチンの供給量の週別推移
           (厚生労働省のHPより)

 上記の通り、12月になれば医療機関にも十分な量のワクチンが行き渡ると予想されますが、12歳以下で2回接種が必要な場合、1回目の接種が12月では遅すぎます。10月下旬~11月上旬には、1回目の接種を受けることをお勧めいたします。
 前述の【ワクチン接種のおすすめ時期】を参考に、確実な接種のために、医療機関に事前に予約されることをお勧めいたします。

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【当クリニックの予防接種】
 

(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今回のシーズンもごく少量しか製造されていません妊婦さんなど、水銀が気になる方のために、少量のみ確保しています(無くなり次第終了します)。
 シリンジタイプ ←今年も、保存料無しタイプは稀少。


(2) 経鼻ワクチンは行っていません
    従来型の注射ワクチンのみです。経鼻ワクチンが「推奨されるワクチン」として国内で認可された場合には、当院も導入を検討いたしますが、現状では導入の予定はありません。


(3) 小児は、誤接種を防ぐために「母子手帳」を必ず持参して下さい
    持参の無い場合、安全を重視して、接種はできません。
 
(4)   接種開始日は、10/1(木)です
    『完全予約制』です

     (在庫がなくなり次第終了いたします)
    診察時間内に、窓口又はお電話にてお問い合わせをお願いいたします。
     (TEL) 0144-53-5800
  
    hospital_uketsuke      


 

(5) 価格と回数
 
【生後6か月以上 3歳未満】 
 
   バイアルタイプ
  2600円


2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後がお勧めです)
必ず、『母子手帳』をご提出ください



 

【3歳以上 13歳未満】
水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
 バイアルタイプ   シリンジタイプ
 3200円     3700円 
                              保存料の水銀なし。1人で使い切りの安全タイプ


2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)
小児は、必ず「母子手帳」をご提出ください(小学生は、できれば提出して下さい)



 

【13歳以上】

水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
  バイアルタイプ シリンジタイプ    
 3200円  3700円
          保存料の水銀なし。1人で使い切りの安全タイプ
 

・原則として1回接種です 。
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
  但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種が可能な場合があります。



【公費助成を受けられる方】

期間は、令和2年10月1日~3年1月31日(在庫が無くなり次第終了)
・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません
必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします

 インフル公費5
  窓口での負担は、(1,300円)です。


 7インフル公費
  非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料になります。
  期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
  苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
  市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
 

 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、しかも一度開封してしまうと保存することができません。体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほど宜しくお願いいたします。

その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の窓口またはお電話でお願いいたします。 詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。

(下記のボタンをクリックすると、厚生労働省からのインフルエンザに関する情報が閲覧できます)
   厚労省Q&A   
    (厚生労働省のホームページ)

 

 

【平成30年度のインフルエンザ予防接種について】

 こんにちは。院長の黒田です。
 
 このたびの「北海道胆振東部地震」に際し、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。当院に通院中の患者さんにも、避難所での生活を余儀なくされている方がいらっしゃいます。1ヶ月が経過した現在もなお、余震が続いていますが、皆様の安全と被災地の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。
 この地域では、地震の影響で体調を崩されている方がたくさんいらっしゃいますが、当院へは「めまい」「鼻水・くしゃみ」で来院されるかたが増えています。心身のストレスが原因で生じる一過性めまいの方がほとんどですが、内耳が原因のめまいの方も増えています。また、地震の揺れや、家財の整理などで、ハウスダストに暴露された方は、アレルギー性鼻炎を発症されています。
 また、次々にやって来る台風ですが、気圧の変化に伴って、「めまい」を発症することが少なくありません。
 季節の変わり目で気温も下がっていきますので、体調には気をつけてお過ごし下さい。

        ugai_tearai
 

 さて、今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。
 昨年は、インフルエンザワクチンの供給量が不足して、「接種を希望しても医療機関にワクチンの在庫が無く、受けられなかった」、「1回目の接種を受けたのに、2回目が受けられなかった」という方がたくさんいました。
 今年のワクチンの情報をお伝えいたします。
 

【今年のワクチンの株】

今年は、A2株B2株の計4価のうち、2価が変更になっています。

・ 昨年、平成29年度(2017/2018シーズン)
    A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
    A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

・ 今年、平成30年度(2018/2019シーズン)
    A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
    A/Singapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2) ←変更
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統) ←変更

この組み合わせは、厚生労働省が流行予測を行って5~6月に公布され、各製薬メーカーは7月にはその発表と全く同じ組み合わせのワクチンを製造し始めます。A型の株のうち、H1N1型は数年間同じで変わらないのに対し、H3N2型の株は、ほぼ毎年変わります。

このH3N2型が厄介で、流行が予想されて選定されたウイルス株が鶏卵の中でうまく発育せずに、別な型のウイルスが増殖してしまって、本来作るべきワクチンが製造できなくなりやすいのです。これを『鶏卵(けいらん)の馴化(じゅんか)』といいます。

昨年は、この『馴化(じゅんか)』のために、目的としていたワクチンが作成できず、急遽ウイルス株を変更して作成をやり直したため、製造が間に合わず、全国的にワクチンが足りなくなってしまったのです。鶏卵が材料である限り、目的とするワクチンが作れない問題は解決しません。現在、鶏卵を材料としないワクチンの開発を試みているメーカーがあり、将来的に実用化されれば、ウイルス株の整合性・ワクチン不足問題とも解決されると見込まれています。
(下図はクリックで拡大します)

馴化
 


【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml   2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml   原則として1回接種(特別な事情があれば2回接種)
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体が増えず、有効性が確認されていないため、
  ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて
  2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。
        medical_yobou_chuusya_baby[1]


 

【ワクチン接種のおすすめ時期】
 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇します。2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。以下は当院として推奨するワクチン接種スケジュールの例です。
 遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします。

(2回接種の例)
1回目 10月下旬~11月上旬
          ↓(4週後)
2回目 11月下旬~12月上旬

(1回接種の例)
  11月上旬~12月上旬

 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78.8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
つまり、最後の接種が11月上旬の方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。最後の接種が12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。
   151015-img06   inhuruenza14

 


【他の予防接種との接種間隔】
不活化ワクチン及びトキソイド接種を受けた場合は、6日以上の間隔をあけて、
生ワクチン接種を受けた場合は、ウイルスの干渉を防ぐために27日以上の間隔をあけて、
次のワクチンを接種することが推奨されています。

安全性を確保するために、インフルエンザ予防接種の前に受けたワクチンをご確認ください。

【不活化ワクチン】  ⇒ インフルエンザ予防接種は6日以上あける
インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、インフルエンザ、DPT、DT、ジフテリア、
破傷風、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、子宮頸がん

【生ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は27日以上あける
MR、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス、黄熱
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【妊娠中・授乳中の接種】
 妊婦または妊娠している可能性のある場合には、「予防接種の有益性が、危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」となっています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。
 
 但し、『妊婦がインフルエンザに罹患すると、気管支炎・肺炎などの重篤な合併症を併発しやすく、妊娠週数とともにリスクが増大します(心肺機能が悪化して入院するリスクは、妊娠14~20 週で 1.4 倍、27~31 週で 2.6 倍、 37~42 週で 4.7 倍)。さらに妊婦がインフルエンザに感染すると、自然流産・早産・低出生体重児・不当軽量児・胎児死亡が増加すると言われています。
 
 現在日本で使用されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、理論的に妊婦・胎児に対して問題はなく、米国疾病予防局および米国産婦人科学会は、インフルエンザ流行期間に妊娠予定(妊娠期間に関係なく)の女性への不活化インフルエンザワクチン接種を推奨しています』
(以上、日本産婦人科学会による産婦人科診療
ガイドライン-産科編2017より)。
 
 つまり、日本の産婦人科学会では、積極的な推奨も禁止もしていない状態です(アメリカでは推奨されています)。よって、妊娠中の方は、産科担当医通院中のにご相談されることをお勧めいたします「接種は問題が無い」と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

 一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。    
 
 しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、授乳を続けながら治療薬(タミフルなど)を使用は出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。
        baby_junyu[1]
 

【授乳中のインフルエンザ治療】
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと言われています。
 そして、抗インフルエンザ薬(タミフル、イナビルなど)は母乳中に移行すると言われており、投薬中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。
        151015-img08
    

 

【今年もワクチン不足の可能性があります】
 上記の通り、昨年は「鶏卵の馴化」、熊本震災によるワクチンメーカーの製造ライン停止などが原因で、ワクチンの供給量が極端に少なく、最後まで接種を受けられなかった人も少なくありませんでした。
 
 今年は、当初に選定したウイルス株がワクチン製造に適していることもあり、大きな混乱が起きていません。
但し、製造量は昨年と同量となる見込みです。また供給のペースも、11月初めまでは昨年以上となりますが、11月中旬以降は昨年と同様にペースが鈍るようです。
(下のグラフをクリックすると拡大表示されます)

ワクチン製造量

ワクチン累積供給量
                 (厚生労働省のHPより)

 
 昨年ほどの混乱は生じないと思われますが、医療機関が在庫できるワクチン数は昨年とほぼ同数と見込まれており、接種時期が後ろにずれ込むほど、ワクチンが足りなくなります。
 かといって、あまりにも早く10月中旬までに接種を受けても、ワクチンの効果が翌年の春先には切れてきますので、前述の【ワクチン接種のおすすめ時期】を参考に、確実な接種のために、医療機関に事前に予約されることをお勧めいたします。
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【当クリニックの予防接種】

(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今回のシーズンもごく少量しか製造されていません。妊婦さんなど、水銀が気になる方のために、ごく少量のみ確保しています
(無くなり次第終了します)。

     シリンジタイプ  ← 今年も、保存料無しシリンジタイプは稀少。


(2) 経鼻ワクチンは行っていません
   従来型の注射ワクチンのみです。経鼻ワクチンが「推奨されるワクチン」として国内で
   認可された場合には、当院も導入を検討いたしますが、現状では導入の予定はありません。
 



(3) 小児は、誤接種を防ぐために「母子手帳」を必ず持参して下さい
    持参の無い場合、安全を重視して、接種はできません。
 
 

(4)   接種開始日は、10/29(月)です
    『完全予約制』とさせていただきます
     (ワクチンの流通数が、昨年程度で少ないため)
       在庫がなくなり次第終了いたします

    当院診察時間に、窓口又はお電話にてお問い合わせをお願いいたします。
     (TEL) 0144-53-5800
  
接種の時期ですが、遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことを
お勧めいたします。
          hospital_uketsuke



(5) 価格と回数
 
【生後6ヶ月以上 3歳未満】   
          バイアルタイプ      2500円
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)
必ず、母子手帳をご提出ください。


【3歳以上 13歳未満 】
      バイアルタイプ   3000円
               
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)
小児は、必ず母子手帳をご提出ください(小学生は、できれば提出して下さい)。


【13歳以上】
           バイアルタイプ   3000円
原則として1回接種です 。
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
  但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態
  にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種が可能な場合があります。
 

 

【公費助成を受けられる方】

 平成30年11月1日(木)~31年1月31日(木)

・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、
 公費助成は受けられません
必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします

 インフル公費5
  窓口での負担は、1,300円です。


 7インフル公費

  非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料になります。
  期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
  苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
  市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。

 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、しかも一度開封してしまうと保存することができません。大事なワクチンが無駄にならないよう、接種の予約をしていただく必要があります。

また、体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほど宜しくお願いいたします。

その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の窓口またはお電話でお願いいたします。 
詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。
(下記のボタンをクリックで、厚生労働省からのインフルエンザに関する情報が閲覧できます)
    厚労省 
    (厚生労働省のホームページ)
 

 

 

平成29年度のインフルエンザ予防接種について

こんにちは。

院長の黒田です。
 
短い夏も終わり、ちらほらと紅葉も見られる季節となりました。
そして、今年も早くもインフルエンザの予防接種の時期になりました。
 
今年も、インフルエンザのワクチン接種に関して、重要なお知らせがあります。
大事なお知らせを優先的にご案内いたしますので、以下のインフルエンザに関する一般的な情報は、過去のアーカイブ記事をご参照ください(「院長ブログ」ボタンをクリックして下さい)。

【インフルエンザワクチンが3価から4価になりました】
【インフルエンザウイルスの型とは】
【ワクチンに含まれる添加物について】
【乳幼児ワクチン接種と脳症の関係】

 bnr-blog


【今年のワクチンの株】

今年は、4価のうち1価だけ種類が変更になっています。

○  平成28年度(2016/2017シーズン)
    A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2) 
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

○  今年、平成29年度(2017/2018シーズン)
    A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09  ← 昨年と変更
    A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)
 
この組み合わせは、毎年厚生労働省が流行予測を行って5~6月に公布され、各製薬メーカーは7月にはその発表と全く同じ組み合わせのワクチンを製造し始めます。ですから、ワクチンメーカーによって効果が異なることはありませんし、接種する医療機関によって効果に差が出ることもありません(「○○病院の予防接種は効くけれど、△△クリニックのは効かない」ということは起こりません)。
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【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml 2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml 1回または2回接種
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体の上がりが悪く、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。

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【ワクチンの効果が出る期間】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇しますので、2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。以下は当院として推奨するワクチン接種時期の例です。遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします

(2回接種の例)
1回目 10月下旬~11月上旬
          ↓(4週後)
2回目 11月下旬~12月上旬

(1回接種の例)
1回目  10月下旬~12月上旬

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 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78..8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
つまり、11月上旬に最後の接種をした方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。これが12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。

 

【他の予防接種との接種間隔】

不活化ワクチン及びトキソイド接種を受けた場合は、6日以上の間隔をあけて、
生ワクチン接種を受けた場合は、ウイルスの干渉を防ぐために27日以上の間隔をあけて、
次のワクチンを接種することが推奨されています。

 

安全性を確保するために、インフルエンザ予防接種の前に受けたワクチンをご確認ください。

【不活化ワクチン】  ⇒ インフルエンザ予防接種は6日以上あける
インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、インフルエンザ、DPT-IPV、DPT、DT、ジフテリア、
破傷風、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、子宮頸がん

【生ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は27日以上あける
MR、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス、黄熱

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【妊娠中・授乳中の接種】

妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある場合には、予防接種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること、となっています。予防接種後の胎児の先天異常の発生率は、接種を受けていない自然発生率より高くなることは無いという報告もありますが、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験では薬剤の胎盤通過性が報告されています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします。「接種は問題が無い」、と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。

しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患した場合、授乳を続けながら抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を使用することは出来ませんなので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。
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授乳中のインフルエンザ治療
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと思われます。
 そして、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザなど)は母乳中に移行すると言われており、投与中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。    
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【経鼻ワクチンは行っていません】

これまで米CDC(米疾病対策センター)は、経鼻の弱毒生インフルエンザワクチンの『フルミスト』を、「子どもへの感染予防効果が認められる」と勧奨してきましたが、昨年6月に一転、「2016/2017シーズンは勧奨しない」と発表しました。
CDCの発表は、米予防接種諮問委員会(ACIP)の「2〜17歳での効果(全型のインフルエンザを対象)は、2013-2014シーズンがマイナス1%、2014-2015が3%、2015-2016が3%」などとする調査報告を受けたものです。効果がマイナスとは、ワクチン未接種の方が感染しにくいという解析結果だったことを示します。
2013/2014、 2015/2016のシーズンは、通常の皮下接種の不活化ワクチンの効果が約60%なのに対し、経鼻ワクチンの「フルミスト」の効果が有意に低かったとされています。特に、重症化しやすい、A型のH1N1型への効果はほぼゼロだったことが話題となりました。

いずれ、国内で製造・認可される経鼻ワクチンが、「推奨されるワクチン」となった場合には、当院も導入を検討いたします。しかし、日本国内で不認可となっている現状では、当院では導入の予定はありません。
 

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【今年も、ワクチンが足りなくなる可能性があります!】 

上記の通り、毎年7月にはワクチンメーカーが製造を開始しており、日数をかけてワクチンが完成します。なので、流通量が足りなくなったからといって、急遽増産することは出来ません。
昨年は、熊本市にあるワクチンメーカーである化学及血清療法研究所(化血研)が、熊本震災の影響で、製造設備に甚大な被害が出たため、全ての製品の製造が止まり、ワクチン供給量が例年よりも少なくなりました。
今年は、同社の復旧に伴い、ワクチンが供給されるようになりましたが、医療機関に納品されるのが12月中旬と大変遅くなります。それまでは、他のワクチンメーカーの製品を使うことになるのですが、今年は、他のメーカーの生産量が昨年よりも大幅に少なくなりました(昨年比60%のメーカーもあります)。

ワクチン不足については、厚生労働省が「今シーズンの供給量は、昨年度よりも10%減」、と発表しています。
(下のグラフをクリックすると拡大表示されます)
ワクチン供給量
        (厚生労働省のHPより)

また、各種メディアでも、
今シーズンは、インフルエンザが早期から流行していること
ワクチンの供給量が不足しているため、医療機関でも十分な量の確保が難しい状態であること
が報じられています
(下記のボタンをクリックすると、供給量不足の原因など、ニュースが閲覧できます)。
    J-CAST       
        (J-CASTのHPより)

この状況は、当院に限ったことでは無く、日本国内の全ての医療機関に当てはまることです。
今年は、
・化血研製のワクチン供給が大幅に遅れ、
・流行前に間に合うようなワクチンの増産も出来ず、
・国内未承認の経鼻ワクチンも、有効性の問題から、使用を中止したままの医療機関があり、
・保存料無しの使い切りワクチンも供給がほとんど無く、
・例年以上のワクチン不足のために、早期にワクチン接種を終了する医療機関が増える可能性があります。

今シーズンも、早めに接種を済ませる事をお勧めすると同時に、確実な接種のためには、医療機関に事前に予約されることをお勧めいたします。

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【当クリニックの予防接種】

(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今シーズンもほとんど製造されておらず、接種が出来ません

理由は、上記の通り、メーカーが十分な供給を行えない結果、全国的なワクチン不足が生じているからです。ワクチンの安定供給を目的に、今年は保存料無しの使い切りワクチンの製造は、極少数のみとなり、従来のバイアルタイプのワクチンのみを集中的に製造することで、ワクチン不足が生じないようにする、という方針となったようです。バイアルの規格も、今年は1つしか製造されない緊急事態ですので、無駄にしないように、ワクチンを大事に使用しなければなりません。
    シリンジタイプ  ←今年も、保存料無しのシリンジタイプは無し。



(2) 経鼻ワクチンは行っていません
従来型の皮下接種型のワクチンのみです。  
経鼻ワクチンは、データの蓄積により、皮下接種型よりも効果が低いことがある、と判明しています。
「経鼻ワクチンが推奨されていない」ことに関しては、上記のコラムをご覧下さい。


(3) 小児は、誤接種を防ぐために母子手帳を持参して下さい


(4) 接種開始日は、10/23(月)です。     
            10~11月中は、完全予約制とさせていただきます
    当院診察時間にお電話にてお問い合わせをお願いいたします。
     (TEL) 0144-53-5800
  
12月以降は、予約の方を優先にしたいと考えております。完全予約制ではありませんが、確実に接種を受けていただくためには、在庫確認のために電話でのお問い合わせと予約をお勧めいたします(在庫がなくなり次第終了いたします)。

接種の時期ですが、遅くとも12月上旬までには接種を済ませておくことをお勧めいたします。
2回接種の方は、1回目を10月下旬~11月上旬に、2回目をその3~4週後に受けることをお勧めいたします。
ワクチン不足のために2回目の接種ができなくならないように、2回目の分も予約する事をお勧めいたします。


(5) 価格と回数

【生後6ヶ月以上 3歳未満】   
          バイアルタイプ       2500円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください。


【3歳以上 13歳未満 】
           バイアルタイプ      3000円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
小児は母子
手帳をご提出ください。


【13歳以上】
          バイアルタイプ     3000円 
原則として1回接種です
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種となる場合があります。

 

 

【公費助成を受けられる方】

 平成29年11月1日(水)~30年1月31日(水)

・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
・氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません。
・必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします。

インフル公費5 
 窓口での負担は、(1,300円)です。


7インフル公費

非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料になります。
期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、また瓶の製剤の場合、一度開封してしまうと保存することができません。大事なワクチンが無駄にならないよう、窓口で予約していただくことをお勧めいたします(予約がなければ接種が受けられないということではありませんが、確実に接種を受けていただけるためには予約をお勧めいたします)。

また、体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほどを宜しくお願いいたします。

その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の診察時間にお電話でお願いいたします。 
詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。
(下記のボタンをクリックで、厚生労働省からのインフルエンザに関する情報が閲覧できます)
   厚労省
    (厚生労働省のホームページ)


 

 

平成28年度のインフルエンザ予防接種について

こんにちは。
院長の黒田です。

すっかり気温も下がり、紅葉の季節となりました。
そして、今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。

今年は、インフルエンザのワクチン接種に関して、重要なお知らせがあります。
大事なお知らせを優先的にご案内いたしますので、以下のインフルエンザに関する一般的な情報は、過去のアーカイブ記事をご参照ください(「院長ブログ」ボタンをクリックして下さい)。

【インフルエンザワクチンが3価から4価になりました】
【インフルエンザウイルスの型とは】
【ワクチンに含まれる添加物について】
【乳幼児ワクチン接種と脳症の関係】

 bnr-blog


【今年のワクチンの株】

昨年から、ワクチンに含まれるウイルス株が3価→4価に変更されました。
今年は、4価のうち1価だけ種類が変更になっています。

○ 平成27年度(2015/2016シーズン)
    A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/Switzerland(スイス)/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
    B/ Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/ Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

○  今年、平成28年度(2016/2017シーズン)
    A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2) ← 昨年と変更
    B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
    B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)
 
この組み合わせは、毎年厚生労働省が流行予測を行って5~6月に公布され、各製薬メーカーは7月にはその発表と全く同じ組み合わせのワクチンを製造し始めます。ですから、ワクチンメーカーによって効果が異なることはありませんし、接種する医療機関によって効果に差が出ることもありません(「○○病院の予防接種は効くけれど、△△クリニックのは効かない」ということは起こりません)。
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【接種の年齢と回数】

インフルエンザワクチンの接種量と回数が、平成23年度(2011/12シーズン)から変更されました。
(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml 2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml 1回または2回接種
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体の上がりが悪く、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。

      141029-img3

 

【ワクチンの効果が出る期間】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇しますので、2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。以下は当院として推奨するワクチン接種時期の例です。どんなに遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします。

(2回接種の例)
1回目 10月下旬~11月上旬
          ↓(4週後)
2回目 11月下旬~12月上旬

(1回接種の例)
1回目  10月下旬~12月上旬

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 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78..8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
つまり、11月上旬に最後の接種をした方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。これが12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。

   

 

【他の予防接種との接種間隔】

不活化ワクチン及びトキソイド接種を受けた場合は、6日以上の間隔をあけて、
生ワクチン接種を受けた場合は、ウイルスの干渉を防ぐために27日以上の間隔をあけて、
次のワクチンを接種することが推奨されています。

 

安全性を確保するために、インフルエンザ予防接種の前に受けたワクチンをご確認ください。

【不活化ワクチン】  ⇒ インフルエンザ予防接種は6日以上あける
インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、インフルエンザ、DPT-IPV、DPT、DT、ジフテリア、
破傷風、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、子宮頸がん

【生ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は27日以上あける
MR、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス、黄熱

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【妊娠中・授乳中の接種】

妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある場合には、予防接種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること、となっています。予防接種後の胎児の先天異常の発生率は、接種を受けていない自然発生率より高くなることは無いという報告もありますが、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験では薬剤の胎盤通過性が報告されています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします。「接種は問題が無い」、と言われた妊婦さんのワクチン接種については、当院でもご相談いただけます

一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。

しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患した場合、授乳を続けながら抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を使用することは出来ませんなので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。
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授乳中のインフルエンザ治療
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと思われます。
 そして、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザなど)は母乳中に移行すると言われており、投与中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。    
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【今年は、経鼻ワクチンは推奨されていない】

以下、日経メディカルのHPよりの抜粋です。

『2003年に米国で登場した、経鼻の弱毒生インフルエンザワクチンの「フルミスト」。発売当初は15歳以上だった対象年齢が2歳以上に引き下げられたことで乳幼児への接種例が増えてきた。これまで米CDC(米疾病対策センター)は「子どもへの感染予防効果が認められる」と勧奨してきたが、この6月に一転、「2016-2017シーズンは勧奨しない」と発表。米国のみならず、フルミストの承認申請が出されたばかりの日本でも衝撃が走った。
 CDCの発表は、米予防接種諮問委員会(ACIP)の「2〜17歳での効果(全型のインフルエンザを対象)は、2013-2014シーズンがマイナス1%、2014-2015が3%、2015-2016が3%」などとする調査報告を受けたものだ。効果がマイナスとは、後からの集計でワクチン未接種の方が感染しにくいという解析結果だったことを示

新潟大学の齋藤昭彦氏は、「日本でも期待されていたワクチンだけに今回の報告は残念だ」と語る。
ACIP報告では、2012年までの過去3シーズンはフルミストの効果が50%から70%で、一般的な皮下接種の不活化ワクチンとほぼ同程度だった。一方、2013-2014と2015-2016のシーズンは皮下接種の不活化ワクチンの効果が約60%なのに対し、フルミストが有意に低かったとされている。「報告書から、特にH1N1型への効果はほぼゼロだったことがわかる」と、新潟大学小児科学分野教授の齋藤昭彦氏は話す。』

以上です。
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昨シーズンまでは経鼻ワクチンを接種していたクリニックも、今シーズンは上記を理由に取りやめているところがあります。
(例)
フルミスト効かない3

フルミスト効かない2
いずれ、国内で製造・認可される経鼻ワクチンが、「小児に推奨されるワクチン」となった場合には、当院も導入を検討いたしますが、現状では導入の予定はありません。

 

【今年はワクチンが足りなくなる可能性があります!】 

上記の通り、毎年7月にはワクチンメーカーが製造を開始しており、日数をかけてワクチンが完成します。なので、流通量が足りなくなったからといって、急遽増産することは出来ません。
熊本市にあるワクチンメーカーである化学及血清療法研究所(化血研)が、今年4月の熊本震災の影響で、製造設備に甚大な被害が出たため、全ての製品の製造が止まってしましました。同社の復旧に伴い、ワクチンが11月になってから出荷される可能性がありますが、今現在の目処は立っていません。当面は、その他のメーカーのワクチンを接種するしかありません。

国内の医療機関の中には、同社のものを使用していたところも多数あります。そういった医療機関は、ワクチンが手に入りにくい、あるいは手に入らないという事態が生じ得るため、化血研以外のメーカーが製造したワクチンを、分けて貰うしかありません。

当院のワクチンは化血研製ではありませんが、他の困っている医療機関にも流用しなければ、混乱が生じてしまいます。よって、当院が入荷しうるワクチンの数も制限が加わる可能性があります。

この状況は、当院に限ったことでは無く、日本国内の全ての医療機関に当てはまることです。
今年は、
・化血研のワクチン供給が無く、
・流行前に間に合うようなワクチンの増産も出来ず、
・保存料無しの使い切りワクチンも製造が無く、
・経鼻ワクチンも有効性の問題から使用を中止した医療機関が多く、
・バイアルタイプのワクチンの使用に集中しますが、数に限りがあります。

今シーズンに限っては、早めに接種を済ませる事をお勧めすると同時に、確実な接種のためには、医療機関に事前に予約されることをお勧めいたします。

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【当クリニックの予防接種】

(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今シーズンは製造されておらず、接種が出来ません

理由は、熊本の震災の影響で、ワクチンメーカーの1つ(化血研)が、製品供給できなくなってしまったからです。当クリニックでは、このメーカーのワクチンは採用していませんが、他社だけでは日本国内全体のワクチンを供給するのが困難であると行政側が判断しました。結果、ワクチンの安定供給を目的に、今年は保存料無しの使い切りワクチンの製造が中止となり、従来のバイアルタイプのワクチンのみを集中的に製造することで、ワクチン不足が生じないようにするという方針で決定したたようです。バイアルの規格も、一つしか製造されない緊急事態ですので、無駄にしないように、ワクチンを大事に使用しなければなりません。
    シリンジタイプ  ←今年は、保存料無しのシリンジタイプは製造無し。



(2) 経鼻ワクチンは行っていません
従来型の皮下接種型のワクチンのみです。  
経鼻ワクチンは、データの蓄積により、皮下接種型よりも効果が低いことが判明し、今シーズンの接種を中止している医療機関があります。
「経鼻ワクチンが推奨されていない」ことに関しては、上記のコラムをご覧下さい。


(3) 小児は、誤接種を防ぐために母子手帳を持参して下さい


(4) 接種開始日は、10/24(月)です。     
            10~11月中は、完全予約制とさせていただきます
    当院診察時間にお電話にてお問い合わせをお願いいたします。
     (TEL) 0144-53-5800
  
12月以降は、予約の方を優先にしたいと考えております。完全予約制ではありませんが、確実に接種を受けていただくためには、在庫確認のために電話でのお問い合わせと予約をお勧めいたします(在庫がなくなり次第終了いたします)。

接種の時期ですが、遅くとも12月上旬までには接種を済ませておくことをお勧めいたします。
2回接種の方は、1回目を10月下旬~11月上旬に、2回目をその3~4週後に受けることをお勧めいたします。


(6)価格と回数

【生後6ヶ月以上 3歳未満】   
          バイアルタイプ       2500円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください。


【3歳以上 13歳未満 】
           バイアルタイプ      3000円     
2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
小児は母子
手帳をご提出ください。


【13歳以上】
          バイアルタイプ     3000円 
原則として1回接種です
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種となる場合があります。

 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、また瓶の製剤の場合、一度開封してしまうと保存することができません。大事なワクチンが無駄にならないよう、窓口で予約していただくことをお勧めいたします(予約がなければ接種が受けられないということではありませんが、確実に接種を受けていただけるためには予約をお勧めいたします)。

また、体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほどを宜しくお願いいたします。

その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の診察時間にお電話でお願いいたします。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
(厚生労働省のホームページ)


 

【公費助成を受けられる方】

 平成28年11月1日~29年1月31日

・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
・氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません。
・必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします。インフル公費5

  窓口での負担は、(1,300円)です。


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非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料になります。
期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。

 

平成27年のインフルエンザ予防接種について

こんにちは。

たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。

すっかり気温が下がり、感冒症状で受診される方が大変多くなっております。
乳幼児では、鼻水と鼻すすりが続くことで、鼓膜切開が必要なほどに重症化した急性中耳炎になっていることが増えてきました。
小児の場合、特に耳の症状が無い場合でも、鼻水があれば中耳炎も疑った方が良いです。

さて、今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。
予防接種に関するご案内をいたします。

 

 

【インフルエンザワクチンが3価から4価になりました】

インフルエンザウイルスは、内部のタンパク質の種類によってA型、B型、C型の3種類に分類され、症状が強くて世界的な大流行を起こす原因になることで有名なのが、A型です。

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予防接種で、どのインフルエンザワクチン株を使用するのかは、厚生労働省健康局の依頼に応じて国立感染症研究所が検討し、これに基づいて厚生労働省が決定しています。以下の通り、ほぼ毎年、予防接種のインフルエンザ株が変わっています。

・平成24年度(2012/13シーズン)
 A/California(カリフォルニア)/7/2009H1N1pdm09
 A/Victoria(ビクトリア)/361/2011H3N2
 B/Wisconsin(ウイスコンシン)/01/2010(山形系統)

・平成25年度(2013/14シーズン)
 A/California(カリフォルニア)/7/2009X-179A)(H1N1pdm09
 A/Texas(テキサス)/50/2012X-223)(H3N2
 B/Massachusetts(マサチュセッツ)/02/2012BX-51B)(山形系統)

平成26年度(2014/15シーズン)
 A/California(カリフォルニア)/7/2009X-179A)(H1N1pdm09
 A/New York(ニューヨーク)/39/2012X-233A)(H3N2
 B/Massachusetts(マサチュセッツ)/2/2012BX-51B

そして今年ですが、厚生労働省より、以下の通知が発表になりました。
 

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平成2758

各都道府県知事 殿

厚生労働省健康局長

 生物学的製剤基準(平成16330日厚生労働省告示第155号)の規定に係る平成27年度のインフルエンザHAワクチン製造株を下記のとおり決定したので通知する。
 なお、平成27年度より4価のインフルエンザHAワクチンを導入する。
 

A型株
A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
A/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2) ←昨年と変更

B型株
B/プーケット/3073/2013(山形系統)←昨年と変更
B/テキサス/2/2013(ビクトリア系統)←昨年と変更
 

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つまり、今回の平成27年度(2015/16シーズン)のワクチンは、今までの3価(Aが2つ、Bが2つ)から、4価(Aが2つ、Bが2つ)に変更になったのです。今年は、全ての医療機関で4価のワクチンが接種されます。
各製薬メーカーが4価のワクチンを製造しましたが、昨年までに比べて価格が大幅に上がりました。これに伴って、当院でも予防接種の価格を変更せざるを得なくなりました。

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【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml 2回接種
(3) 13歳以上      1回0.5ml 1回または2回接種

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 ※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体の上がりが悪く、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。

 

【ワクチン接種のお勧め時期】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇しますので、2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。以下は当院として推奨するワクチン接種時期の例です。どんなに遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします。

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(2回接種の例)
 1回目 10月下旬~11月上旬
       ↓(4週後)
 2回目 11月下旬~12月上旬

(1回接種の例)
 1回目 10月下旬~12月上旬

 

【他の予防接種との接種間隔】

不活化ワクチン及びトキソイド接種を受けた場合は、6日以上の間隔をあけて、
生ワクチン接種を受けた場合は、ウイルスの干渉を防ぐために27日以上の間隔をあけて、
次のワクチンを接種することが推奨されています。

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安全性を確保するために、インフルエンザ予防接種の前に受けたワクチンをご確認ください。

【不活化ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は6日以上あける
インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、インフルエンザ、DPT-IPV、DPT、DT、ジフテリア、
破傷風、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、子宮頸がん

【生ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は27日以上あける
MR、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス、黄熱
 

【妊娠中・授乳中の接種】

妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある場合には、予防接種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること、となっています。予防接種後の胎児の先天異常の発生率は、接種を受けていない自然発生率より高くなることは無いという報告もありますが、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験では薬剤の胎盤通過性が報告されています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします。「接種は問題が無い」、と言われた妊婦さんのワクチン接種については、当院でもご相談いただけます。

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一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。

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しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患した場合、授乳を続けながら抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を使用することは出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。

※    授乳中のインフルエンザ治療
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと思われます。
 そして、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザなど)は母乳中に移行すると言われており、投与中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。
 
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【ワクチンに含まれる添加物について】

ワクチンの中には、防腐剤として「チメロサール」という水銀化合物が添加されているものがあります。

チメロサールが主な原因と考えられるアレルギーの報告例もあり、アメリカではワクチンの中のチメロサールをできるだけ早く低減または削減するとの方針が出され、ヨーロッパでも「使用上の注意」にチメロサールによる過敏症が起こる可能性がある旨を記載するという方針が出ました。

これを受けて、日本国内でもチメロサールによる過敏症に関する注意を「重要な基本的注意」に追記しています。チメロサールを含むワクチンの接種により、過敏症(発熱、発疹、蕁麻疹、紅斑、痒み)が現れたとの報告があり、接種後は十分な注意が必要とされています。
こちらには、チメロサールに関する非常に詳細な記載がありますので、興味のある方はご参照ください。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/thimerosal1.html
(横浜市衛生研究所のHPより)
 

【乳幼児ワクチン接種と脳症の関係】

インフルエンザの後遺症として有名なのが、インフルエンザ脳症です。

インフルエンザ脳症に関連して、一時期は抗インフルエンザ薬「タミフル」が飛び降りなどの異常行動の原因と報道されたことがありましたが、「タミフル」で飛び降りなどの異常行動が出たのでは無い、との報告が多数あります。インフルエンザの予防接種と、発症時の早期治療こそが、脳症を防ぐ方法であると、私は考えています。

より詳しい解説については、以下の厚生労働省のHPもご参照ください(「タミフル」についてはQ12に解説があります)。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
 

 

【当クリニックの予防接種】

(1)小児は、誤接種を防ぐために必ず母子手帳を持参して下さい。
     (手帳の持参が無く、直近で他の予防接種を受けているか確認できない場合には、
       接種をお断りすることがあります)
 

(2)接種開始日は、10/19(月)です

(公費助成の方は、11/2(月)から)。
お問い合わせは、診察時間内にお電話でお願いいたします。
(TEL) 0144-53-5800

完全予約制ではありませんが、予約の方を優先に行います
確実に接種を受けていただくためには、在庫確認のために電話でのお問い合わせと予約をお勧めいたします(在庫がなくなり次第終了いたします)。
 
遅くとも12月上旬までには接種を済ませておくことをお勧めいたします。
2回接種の方は、1回目を10月下旬~11月上旬に、2回目をその3~4週後に受けることをお勧めいたします。
 

(3)チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、流通数自体が少ないために、数に限りがあります。原則として早いもの順で、無くなり次第終了です。
小さなお子さんや、授乳中の方、妊婦さん(通院中の産婦人科で接種の許可あり)、水銀の副作用が心配な方には、特にお勧めいたします。
昨年もチメロサールの入っていない(水銀を含まず安全性が高い)シリンジでの接種希望の方が多数いらっしゃり、健康や安全を考える方が増えてきたのだと思われます(シリンジタイプは、在庫が無くなり次第、終了です)

水銀なしをご希望の方は、
・1回接種の方は、入荷次第早い者順で終了
(予約確保は原則として行っていませんが、早期の接種希望の方はお電話でお問い合わせください)。
・2回接種の方(13歳未満)は、1回目を当院で行った場合に限り4週後まで確保の予約を受け付けます。

 

(4) 価格と回数

【生後6か月以上 1歳未満】

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2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください

 

【1歳以上 3歳未満】
→水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです在庫がなくなり次第、終了します
   
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2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください。

 

【3歳以上 13歳未満】
→水銀の添加物を含まず、アレルギーの副作用が少ないタイプも選べます。
製造数が非常に少ないです在庫がなくなり次第、終了します

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2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
小児は母子手帳をご提出ください。

 

【13歳以上】
→水銀の添加物を含まず、アレルギーの副作用が少ないタイプも選べます。
製造数が非常に少ないです在庫がなくなり次第、終了します

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原則として1回接種です

※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種となる場合があります。
 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、また瓶の製剤の場合、一度開封してしまうと保存することができません。大事なワクチンが無駄にならないよう、窓口で予約していただくことをお勧めいたします(予約がなければ接種が受けられないということではありませんが、確実に接種を受けていただけるためには予約をお勧めいたします)。

また、体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほどを宜しくお願いいたします。

以下にインフルエンザ関連の資料があるURLを掲載しています。当院へのお問い合わせは、診察時間内にお電話でお願いいたします。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
(厚生労働省のホームページ)
 

苫小牧市の公費助成を受けられる方

・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。

氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書(運転免許証や健康保険証など)
をご持参下さい。持参の無い方は公費助成を受けられません
 

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期間: 平成27年11月1日~28年1月31日
費用: 窓口での負担は、1,300円です。

 

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  窓口での負担は、無料です。

・非課税世帯の方でも生活保護世帯以外の方は有料になります。
・期間外の接種は対象外となりますのでご注意ください。
・苫小牧市に住んでいても苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
・市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。

平成26年のインフルエンザ予防接種について

こんにちは。

たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。

すっかり気温も下がり、紅葉を通り越して落葉の季節となりました。そして、今年もインフルエンザの予防接種の時期になりました。

昨年の記事と重複する部分がありますが、今年もインフルエンザに関する情報を掲載いたします。記事の終わりには、当院の予防接種に関する案内がありますので、是非ご覧ください。

 

【インフルエンザウイルスの型とは】

「インフルエンザ」の病原体は、インフルエンザウイルスというRNAウイルスです(ヒブ予防接種の「インフルエンザ菌」とは異なります)。インフルエンザウイルスには、内部のタンパク質の種類によってA型、B型、C型の3種類の「属」に分類され、症状が強くて世界的な大流行を起こす原因になることで有名なのが、A型です。

A型インフルエンザは、ほぼ球形のウイルス表面に、HA、NAという2種類の糖たんぱく質が突き出ていて、ウイルスの表面がトゲに覆われたような形をしています。この2種類の糖たんぱくには亜型があり、HAが16種類、NAが9種類知られています。その組み合わせでインフルエンザの「型」が名づけられています。例えば、ソ連型H1N1型、香港型H3N2型、新型鳥インフルエンザH5N1型、などです。理論上は、16種類×9種類の計144種類が考えられますが、流行することで知られているのがこの3種類です。

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インフルエンザワクチンが開発されたばかりの頃は、ウイルスを薬液(ホルマリンなど)で処理して毒性を弱めてそのまま注射する「全粒子型ワクチン」でした。よく効くワクチンでしたが、発熱や注射した場所が赤くなり大きく腫れ上がる、ギランバレー症候群などの重篤な副作用も強かったようです。その後1970年代になり、薬液(エーテルなど)でウイルスをバラバラの断片に分解したものを注射する「スプリットワクチン」が開発され、現在も季節性インフルエンザのワクチンは「スプリットワクチン」が使われることがほとんどです。このワクチンは、「全粒子型ワクチン」に見られた大きな副作用が発生する頻度が少なく、安全性が高いのですが、バラバラになったウイルスでは十分な免疫力がつかずに効果が不十分となることも多いようです。

予防接種では、数種類のインフルエンザを不活化したスプリットワクチンを使用しますが、その年にどのインフルエンザワクチン株を使用するのかは、厚生労働省健康局の依頼に応じて国立感染症研究所が検討し、これに基づいて厚生労働省が決定しています。以下の通り、ほぼ毎年、予防接種のインフルエンザ株が変わっています。

・平成23年度(2011/12シーズン)
 A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09
 A/ビクトリア/210/2009(H3N2)
 B/ブリスベン/60/2008(ビクトリア系統)

・平成24年度(2012/13シーズン)
 A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09
 A/ビクトリア/361/2011 (H3N2)
  B/ウイスコンシン/1/2010(山形系統)

・平成25年度(2013/14シーズン)
 A/カリフォルニア/7/2009(H1N1)pdm09
 A/テキサス/50/2012 (H3N2)
 B/マサチュセッツ/2/2012

・そして今年ですが、平成26年度(2014/15シーズン)
 A/California(カリフォルニア)/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
 A/New York(ニューヨーク)/39/2012(X-233A)(H3N2)
 B/Massachusetts(マサチュセッツ)/2/2012(BX-51B)

この組み合わせは、毎年厚生労働省が流行予測を行って5~6月に公布され、各製薬メーカーは7月にはその発表と全く同じ組み合わせのワクチンを製造し始めます。ですから、ワクチンメーカーによって効果が異なることはありませんし、接種する医療機関によって効果に差が出ることもありません(「○○病院の予防接種は効くけれど、△△クリニックのは効かない」ということは起こりません)。

厚生労働省の発表はあくまで予想ですので、実際に流行するインフルエンザ型が異なる場合があります。今回のワクチン株の選定に至る経緯は、下記の厚生労働省の資料をご参照ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000033079-att/2r985200000330dw.pdf

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【接種の年齢と回数】

インフルエンザワクチンの接種量と回数が、平成23年度(2011/12シーズン)から変更されました。

(1) 6か月以上3歳未満 1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満 1回0.5ml 2回接種
(3) 13歳以上 1回0.5ml 1回または2回接種

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※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体の上がりが悪く、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。

尚、日本で使用されているワクチンの特徴で、インフルエンザに一度も罹患したことのない人への効果は、一度でも罹患したことのある人への効果より低いと言われています(医学的には、「プライミング効果が低く、ブースター効果が高い」と言います)。ですから、小さなお子さんのいる家庭では、お子さんへの接種効果に期待するよりも、周囲の家族(ご両親や兄弟)が予防接種を受けることで、家族内で感染を起こさないようにする方が重要なのかもしれません。
 

【ワクチンの効果が出る期間】

インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に最も抗体が上昇しますので、2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。以下は当院として推奨するワクチン接種時期の例です。どんなに遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします。

(2回接種の例)
 1回目 10月下旬~11月上旬
       ↓(4週後)
 2回目 11月下旬~12月上旬

(1回接種の例)
 1回目 10月下旬~12月上旬

ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78..8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。 
つまり、11月上旬に最後の接種をした方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。これが12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。
この通り、実際に流行したウイルスと、前述の予測されたワクチンに含まれているウイルスの抗原型が一致した場合には、約3ヶ月間は高いレベルで効果が続きます。さらに、以前にインフルエンザに罹患したことがあって基礎免疫を持っている場合は、有効な抗体水準は3ヶ月を過ぎても維持されますが(前述の「ブースター効果が高い」ということです)、インフルエンザ罹患歴がなく基礎免疫がない場合には、効果の持続期間が1ヶ月ほど短くなるといわれています(前述の「プライミング効果が低い」という話です)。
(インフルエンザワクチン, ワクチンハンドブック, 130-141(1994)より)
 

【他の予防接種との接種間隔】

不活化ワクチン及びトキソイド接種を受けた場合は、6日以上の間隔をあけて、
生ワクチン接種を受けた場合は、ウイルスの干渉を防ぐために27日以上の間隔をあけて、
次のワクチンを接種することが推奨されています。

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安全性を確保するために、インフルエンザ予防接種の前に受けたワクチンをご確認ください。

【不活化ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は6日以上あける
インフルエンザ菌b型(Hib)、肺炎球菌、インフルエンザ、DPT-IPV、DPT、DT、ジフテリア、
破傷風、ポリオ、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、子宮頸がん

【生ワクチン】 ⇒ インフルエンザ予防接種は27日以上あける
MR、麻疹、風疹、BCG、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス、黄熱
 

【妊娠中・授乳中の接種】

妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦または妊娠している可能性のある場合には、予防接種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること、となっています。予防接種後の胎児の先天異常の発生率は、接種を受けていない自然発生率より高くなることは無いという報告もありますが、妊娠中の投与に関する安全性は確立しておらず、動物実験では薬剤の胎盤通過性が報告されています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします。「接種は問題が無い」、と言われた妊婦さんのワクチン接種については、当院でもご相談いただけます。

一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。

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しかし、授乳期間中にインフルエンザに罹患した場合、授乳を続けながら抗インフルエンザ薬(タミフルなど)を使用することは出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします(以下をご参照ください)。

※    授乳中のインフルエンザ治療
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、母乳中にインフルエンザウイルスが含まれ、母乳を介して乳児に感染を起こすことはほとんど無いと考えられています。しかし、母親と乳児は日常から接触する機会が多く、母乳とは関係なく、咳などの飛沫感染によって乳児に感染する可能性が高いと思われます。
そして、抗インフルエンザ薬(タミフルやリレンザなど)は母乳中に移行すると言われており、投与中に母乳を与えることは避けることとなっています。米国予防注射詰問委員会の勧告では、抗インフルエンザ治療薬について、「授乳中の婦人には投与しない」「投与する場合には授乳は避ける」とあります。
 
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【ワクチンに含まれる添加物について】

ワクチンの中には、保存料として「チメロサール」という水銀化合物が添加されているものがあります。

チメロサールが主な原因と考えられるアレルギーの報告例もあり、アメリカではワクチンの中のチメロサールをできるだけ早く低減または削減するとの方針が出され、ヨーロッパでも「使用上の注意」にチメロサールによる過敏症が起こる可能性がある旨を記載するという方針が出ました。

これを受けて、日本国内でもチメロサールによる過敏症に関する注意を「重要な基本的注意」に追記しています。チメロサールを含むワクチンの接種により、過敏症(発熱、発疹、蕁麻疹、紅斑、痒み)が現れたとの報告があり、接種後は十分な注意が必要とされています。
こちらには、チメロサールに関する非常に詳細な記載がありますので、興味のある方はご参照ください。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/thimerosal1.html
(横浜市衛生研究所のHPより)
 

【乳幼児ワクチン接種と脳症の関係】

インフルエンザの後遺症として有名なのが、インフルエンザ脳症です。ワクチンによって、仮にインフルエンザに罹患してもインフルエンザ脳症まで発現しないようにすることができるかについての研究も行われています。

平成16年に発表された「乳幼児(6歳未満)に対するインフルエンザワクチン接種について」-日本小児科学会見解- では、

「インフルエンザ脳症患者とインフルエンザ罹患者の間でワクチン接種率に有意な差はなく、インフルエンザ脳症の阻止という点でのインフルエンザワクチンの有効性は低いと考えられる。しかし、インフルエンザ脳症はインフルエンザ罹患者に発症する疾患であるところから、インフルエンザ罹患の可能性を減じ、その結果として脳症発症の可能性のリスクを減じる可能性はあり、ワクチン接種の意義はあるものと考えられる。」

となっています。すなわち、インフルエンザワクチンを接種していたからと言っても、インフルエンザに罹患してしまうと脳症を生じる可能性はある、ということです。異常行動や異常発言、けいれんといった症状がある時には、早急に医療機関を受診することをお勧めいたします。

インフルエンザ予防接種により脳症を防げないのであれば、予防接種は受けずに罹患した時に治療すればよい、という考えもあるかもしれませんが、私はそうは思いません。インフルエンザ脳症の原因のほとんどがA型であり、A型はワクチンの効果が期待できること、インフルエンザ発病から脳症発症まで1日ちょっとしかないため、医療機関を受診して抗インフルエンザ薬を開始しても脳症に至ってしまう可能性があり、インフルエンザそのものの予防が重要であること(そもそもインフルエンザに罹患しなければ脳症にも罹患しません)、が理由です。

インフルエンザ脳症に関連して、一時期は抗インフルエンザ薬「タミフル」が飛び降りなどの異常行動の原因と報道されたことがありましたが、「タミフル」で飛び降りなどの異常行動が出たのではないとの報告が多数あります。インフルエンザの予防接種と、発症時の早期治療こそが、脳症による事故を防ぐ方法であると、私は考えています。

より詳しい解説については、以下の厚生労働省のHPもご参照ください(「タミフル」についてはQ12に解説があります)。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
 

【当クリニックの予防接種】

(1)    チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、流通数自体が少ないために、数に限りがあります。原則として早いもの順で、無くなり次第終了です。小さなお子さんや、授乳中の方、妊婦さん(通院中の産婦人科で接種の許可すみ)、水銀の副作用が心配な方には、特にお勧めいたします。
10/28(火)現在、チメロサールの入っていない(水銀を含まず安全性が高い)シリンジでの接種希望の方が圧倒的に多く、健康や安全を考える方が増えてきたのだと思われます(シリンジタイプは、今のところまだ在庫がありますが、無くなり次第、終了です)

水銀なしをご希望の方は、
 ・1回接種の方は、入荷次第早い者順で終了
  (予約確保は原則として行っていませんが、早期の接種希望の方はお電話で
  お問い合わせください)。
 ・2回接種の方(13歳未満)は、1回目を当院で行った場合に限り4週後まで
  確保の予約を受け付けます。

(2) 小児は、誤接種を防ぐために母子手帳を持参して下さい。

(3)下記に該当する方は、公費助成により、窓口負担1,050円です。
   証明書や手帳を持参して下さい。
 ・60-64歳の苫小牧市民で、一定の障害者はそれを証明する身体障害手帳。※1
 ・65歳以上の苫小牧市民は、年齢を確認するための運転免許証や保険証。
   詳しくは、この記事の下方に別記してありますので、ご参照ください。

(4) 上記(3)該当者で、かつ生活保護世帯は無料です。保護手帳を持参ください。

(5) 接種開始日は、10/28(火)です。

10月中は、完全予約制とさせていただきます。
当院診察時間にお電話にてお問い合わせをお願いいたします。

(TEL) 0144-53-5800

11月以降ですが、予約の方を優先にしたいと考えております。完全予約制では
ありませんが、確実に接種を受けていただくためには、在庫確認のために電話での
お問い合わせと予約をお勧めいたします(在庫がなくなり次第終了いたします)。

接種の時期ですが、遅くとも12月上旬までには接種を済ませておくことを
お勧めいたします。
2回接種の方は、1回目を10月下旬~11月上旬に、2回目をその3~4週後に
受けることをお勧めいたします。

(6)価格と回数

【生後6か月以上 1歳未満】
1回2000円

2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください。

【1歳以上 3歳未満】
→水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです(昨年以上に)在庫がなくなり次第、終了します
   
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2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
母子手帳をご提出ください。

【3歳以上 13歳未満】
→水銀の添加物を含まず、アレルギーの副作用が少ないタイプも選べます。
製造数が非常に少ないです在庫がなくなり次第、終了します

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2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)。
小児は母子手帳をご提出ください。

【13歳以上】
→水銀の添加物を含まず、アレルギーの副作用が少ないタイプも選べます。
製造数が非常に少ないです在庫がなくなり次第、終了します

1回2500円

1回3300円(水銀の保存料なし。1人で使い切りタイプ)

原則として1回接種です。※2

※2 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
 但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が
 抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種
 となる場合があります。

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬で、また瓶の製剤の場合、一度開封してしまうと保存することができません。大事なワクチンが無駄にならないよう、窓口で予約していただくことをお勧めいたします(予約がなければ接種が受けられないということではありませんが、確実に接種を受けていただけるためには予約をお勧めいたします)。

また、体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほどを宜しくお願いいたします。

その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の診察時間にお電話でお願いいたします。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
(厚生労働省のホームページ)
 

【公費助成を受けられる方】

平成25年11月1日~26年1月31日

・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。

・氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない
場合には、公費助成は受けられません。

・必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします。 

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  窓口での負担は、(1,050円)です。

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  窓口での負担は、無料です。

非課税世帯の方でも生活保護世帯以外の方は有料になります。
期間外の接種は対象外となりますのでご注意ください。
苫小牧市に住んでいても苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。

「経鼻インフルエンザ生ワクチン」って?

こんにちは。
院長の黒田です。

 一気に気温が下がってきました。
苫小牧は、相変わらず降雪量が少なく、今年は例年の半分程度ということで、道路のアスファルトが雪や氷で覆われることがほとんどありません。
今、この原稿を書いている最中に雪が降り出しましたが、ちらほらといった感じで、いまだに除雪は必要なさそうです。
このまま一度もスコップを使わず済むと良いのですが、、、。

 さて、幼稚園・学校の冬休みが終わりました。
年末年始に風邪をひかずに体調の良かったお子さんも、幼稚園や学校で風邪をうつしたり、うつされたり、ということで体調を崩しやすくなっています。
また、子供さんの風邪を家庭で大人がうつされたり、そうでなくとも気温が下がってきましたので、とかく体調が悪くなりやすい時期です。
外出時にはマスク、帰宅したら手洗いとうがいをするのが、一番の風邪予防法だと思います。

 皆さんご存知かと思いますが、新年スタートと同時に、札幌でのインフルエンザに関するニュースが飛び込んできました。
国立感染症研究所は1月6日、北海道札幌市の患者6人から2013年12月27日までに検出されたインフルエンザウイルスが、タミフルやラピアクタといった抗ウイルス薬に耐性を持っていると発表しました。
但し、タミフルが効きにくい半面、リレンザやイナビルといった別の薬剤は効果が確認されており、大きな問題にはなっていません。

 そして、苫小牧市でもインフルエンザの罹患者数が増えてきています。
当院でも、学校が始まった1/20以降、検査によってインフルエンザA型が検出される患者さんが増えています。
インフルエンザを普通の風邪として治療していると、場合によっては幼稚園や学校、職場や家庭に流行を起こしてしまう可能性もありますので、発熱を伴う風邪症状の場合には、お気軽にご相談ください。
小さなお子さんの場合には、インフルエンザを疑って受診されても、実は急性中耳炎ということもあります。子供は耳の症状を言葉で上手に訴えることができないので、鼓膜に異常が無いかを確認することも重要です。

私は、流行の状況をこちらのページで確認しています。
全ての患者さんが報告されているわけではありませんので、実際の患者数はこれよりも遥かに多いのですが、流行の目安として利用させていただいております。

http://ml-flu.children.jp/table_city.php?num=1&start_date=2014-01-18&end_date=2014-01-24
(MLインフルエンザ流行最前線情報DBのHP)

http://www.nih.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map/141-flu-map.html
(国立感染症研究所のHP)

インフルエンザの予防接種ですが、本当に効くの?という声があります。
確かに、現在日本で行われている不活化ワクチンの皮下注射では、感染自体を防ぐことはできません。
インフルエンザウイルスを鼻や口から吸いこみ、これらの粘膜を経由して感染を生じるのですから、粘膜レベルで免疫力を上げておかなければ、感染自体を防ぐことはできません。

海外では、アメリカのMedImmune社 が、経鼻の生ワクチンを製造販売しており、アメリカでは2003年にアメリカ食品医薬品衛生局(FDA)が認可を出して使用開始となり、ヨーロッパでは2011年から認可されています。
日本ではまだ承認されていないため、「未承認の生ワクチン」の扱いです。未認可の生ワクチンなので、国産不活化インフルエンザワクチンのような副作用や合併症に対する補償はありません(日本医薬品医療機器総合機構の補償 )。何か副作用が生じたとしても国の補償はなく、基本は自己責任での接種 となります。日本の製薬会社や薬卸会社では在庫も販売もしていませんので、輸入代行会社を通じて個人輸入した生ワクチンを、患者さんが自己責任で接種するという状況です。
ポリオワクチンと違うのは、「不活化ワクチン」→「生ワクチン」、「皮下接種」→「鼻腔へ噴霧」という違いです。

経鼻ワクチンは国内未承認のため、製薬メーカーのホームページも英語版のみです。
動画を見ると、噴霧のイメージは分かると思います。

https://www.flumistquadrivalent.com/consumer/index.html
(MedImmune社のHP)

従来の不活化ワクチン皮下接種と、生ワクチンの経鼻噴霧の違いは、以下のページにも掲載されているので、参考にされるのも良いかと思います。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/influvaccine.html
(横浜市衛生研究所HPより引用)

経鼻生ワクチンの方が、現在の不活化ワクチンの皮下接種よりも全ての面で優れているかというと、そうではありません。メリットとデメリット、経鼻生ワクチンの副作用を十分に理解した上での接種が必要です。
http://trendstyle96.net/archives/3134
(TREND STYLE HPより引用)

当院では、国内で安全性が確認、承認されるまでは使用する予定はありません。
また、不活化ワクチンの皮下接種は、当初の予定通り1月末日をもって終了いたします。2月以降は希望があっても接種ができません(1月に1回目の接種を行った方の2回目接種が2月になる場合にのみ、2回目の予約と取り置きを致します)。在庫が少なくなってきたため、今後の接種は完全予約制となりますので、お電話か受付窓口でお問い合わせいただきますよう、宜しくお願いいたします。