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【令和4年度のインフルエンザワクチンの接種のお知らせ】

  こんにちは。院長の黒田です。
 
 7月から始まった「新型コロナウイルス感染症の第7波」が、10月初め現在でもまだ収束せず、苫小牧市内で1日200人近い新規感染者が出ております。

 一部のマスコミ報道で『オミクロン株は症状が軽い』という情報が出ており、各種の行事やイベントが開催されるようになりましたが、苫小牧市内のコロナ病床は依然として満床に近く、重症者が多数出ています。

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでおりますが、まだ一度も接種を受けていない方や、2回目の接種までは受けても3回目以降の追加接種を受けていない方も多数います。10月以降の追加接種が、国が補助してくれる最後の接種となるという噂もあります。初回接種、追加接種を受けていない方は、10月以降の接種をご検討下さい。

 

 さて、この冬の「インフルエンザ」の流行予測ですが、

2022-2023年シーズンは、過去2年と違って、インフルエンザの流行の可能性が高いです」。

理由は以下の通りです。

 

今年、南半球でインフルエンザが大流行したから

 北半球の冬季のインフルエンザ流行の予測をする際には、南半球の状況を参考にします。

 オーストラリア政府は定期的にインフルエンザの発症状況を報告していますが、2020年および2021年は、わが国と同様に、インフルエンザの患者さんは極めて少数でした(下記のグラフでも読み取れないぐらいです)。

 しかしながら、2022年は4月後半から報告数が増加し、例年を超えるレベルの患者数となり、新型コロナ感染症と相まって、医療の逼迫が問題となりました。

 (下のグラフをクリックすると拡大表示されます

  

  (オーストラリア保健省のHPより)

今後は、海外からの入国が緩和され人的交流が増加しますので、国内へウイルスも持ち込まれると考えられ、わが国においても、今秋から冬には、同様の流行が起こる可能性があります。

 オーストラリアで本年度に検出されたインフルエンザウイルスのうち、約80%はA(H3N2)、約20%がA(H1N1)だったため、わが国でもA(H3N2)香港型の流行が主体となる可能性があります。A型はB型に比べて、シーズンの比較的早期から流行し、強い症状を呈するのが特徴です。

発症してもワクチンによる一定の重症化防止効果は期待でき、65歳以上の高齢者においてA(H3N2)型感染による入院防止率は37%であったと報告されています。

 

2.過去2年間にインフルエンザの流行が無かったため、免疫力が低下しているため

 過去2年間、国内でのインフルエンザの流行がなかったために、社会全体のインフルエンザに対する集団免疫が低下していると考えられます。

そのため、一旦感染がおこると、特に小児を中心に社会全体として大きな流行となるおそれがあります。

 

以上より、

今シーズンは、過去2年間とは異なり、「インフルエンザ」と「新型コロナ第8波」が同時流行して、いわゆる『フルロナ』という重複感染が懸念されています。

    

 (上記バナーのクリックで記事を読めます

 

 この秋~冬の発熱では、ワクチン接種歴に関わらず、新型コロナウイルスとインフルエンザの見分けが重要となり、また、両者の合併例も考えられます。両者では、治療薬も、自宅療養期間も異なります。

したがって、今シーズンは両方のウイルスを念頭にいれておく必要があります。

接種できない特別な理由のある人を除き、できるだけ多くの人にインフルエンザワクチンの積極的な接種をお勧めいたします。

       


 既に上記の情報をご存知の方も多数いらっしゃり、みなさんの感染症への意識も高まっていることから、今年もインフルエンザの予防接種を早期から希望する方がいると予想されていました。実際、9月中にたくさんの方から予防接種に関する問い合わせがあり、既に予約をされている方が多数いらっしゃいます

 接種の予約時期が遅くなり過ぎて「接種を希望しても医療機関にワクチンの在庫が無く、受けられなかった」、予約するのを忘れて「1回目の接種を受けたのに、2回目が受けられなかった」という事が無いように、早めに接種の計画を立てていただくことをお勧めいたします。



【今年のワクチン供給量】

 下記のグラフの通り、今年の供給量は、過去最大量となります。

 但し、上記の流行予測から、接種希望者もたくさんいらっしゃいますので、医療機関で確保したワクチンが早期に無くなったり、

ワクチンの供給は徐々に行われていくことから、希望する時期に接種が出来ないことや、接種可能な時期には既にインフルエンザが流行し始めていることも予想されます。

また、12歳以下では、1回目の接種を11月中には終える必要がありますが、この時期にはワクチンの供給量が、まだが少ないと考えられます。

これらを踏まえて、お早めにワクチン接種の予約をされることをお勧めいたします。

 

 (下のグラフをクリックすると拡大表示されます

  
   (厚生労働省のHPより)



【接種の年齢と回数】

(1) 6か月以上3歳未満  1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満   1回0.5ml   2回接種
(3) 13歳以上        1回0.5ml   原則として1回接種(特別な事情があれば2回接種)
      
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体が増えず、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。
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【ワクチン接種のおすすめ時期】

 インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に、最も抗体が上昇します。2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう(一般的には、接種間隔は2~4週とされています)。

 以下は当院として推奨するワクチン接種スケジュールの例です。
 遅くとも12月上旬までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします
 
(12歳以下)
  1回目 10月下旬~11月上旬
       ↓(4週後)
  2回目 11月下旬~12月上旬
 
(13歳以上)
   11月上旬~12月上旬
 
 ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78.8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
 つまり、最後の接種が11月上旬の方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。最後の接種が12月上旬ですと、3月上旬までは80%、5月上旬までは50%、ということになります。

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【他の予防接種との間隔】
  
 令和2年からは、接種間隔の決まりが変わりました。
「生ワクチン→生ワクチンだけは、間隔をあける必要があります」が、それ以外は間隔をあける必要が無く、同時接種も可能となりました。
 インフルエンザワクチンは「生ワクチンではなく、不活化ワクチン」ですので、他の一般的な予防接種との間隔を気にせずに、接種することが出来ます。
        
詳しくは、下記の資料をご覧下さい。
(下記資料は、クリックで拡大します)
 ワクチン接種間隔        
     

昨年までは、「新型コロナワクチン」も注射生ワクチンと同様の扱いで、接種の前後2週間は、他のワクチン接種が出来ませんでした。

下記は「昨年」の厚労省からの通知です。

 (下記の画像をクリックすると拡大表示されます

新型コロナワクチンの接種間隔
     

 しかし、今年からは、「新型コロナワクチン」と「インフルエンザワクチン」の同時接種は可能と変更になりました。

 (下記の画像をクリックすると拡大表示されます
     (厚生労働省のHPより)

 

 但し、「同時接種を行う場合には、それぞれ違う腕に接種すること」とされております。

片腕に「インフルエンザ」、もう片方の腕に「新型コロナ」と、両腕に接種することになり、接種による副反応(痛み、腫れ、発熱など)も、2つのワクチンによる物が同時に生じることになります。

 よって、法律的には同時接種は可能ですが、当クリニックとしては、「インフルエンザ」と「新型コロナ」のワクチン接種を同時に受けることは、推奨は致しません


当クリニックでは、「新型コロナワクチン」も、「インフルエンザワクチン」も受け付けていますので、予約・日程の相談が可能です。
窓口もしくは下記の電話で、遠慮無くご相談ください。

 (TEL)0144-53-5800 (診察時間に受け付けています)
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【妊娠中・授乳中の接種】
 
 妊婦または妊娠している可能性のある場合には、「予防接種の有益性が、危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」となっています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。
 妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします
 「接種は問題が無い」と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です

 
 一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」というタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。    
 授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、授乳を続けながら治療薬(タミフル・イナビルなど)は使用出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします。 
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【当クリニックの予防接種】
 
(1) チメロサール(水銀を含有した保存料)の入っていない、1人で使い切り型のワクチンは、今回のシーズンもごく少量しか製造されていません
 妊婦さんや、水銀が気になる方、一つのワクチン容器から複数人数分を取り分けて使うことが気になる方、などのために、少量のみ確保しています(無くなり次第終了します)。
  シリンジタイプ ←使い切りタイプは稀少。

(2) 経鼻ワクチンは行っていません
    従来型の注射ワクチンのみです。経鼻ワクチンが「推奨されるワクチン」として国内で認可された場合には導入を検討いたしますが、現状では行っていません。

(3) 小児は、誤接種を防ぐために「母子手帳」を必ず持参して下さい
    持参の無い場合、安全を重視して、接種はできません。
 
(4)接種開始日は、10/17(月)です
   『完全予約制』です

     (在庫がなくなり次第終了いたします)
    
   (TEL) 0144-53-5800
  診察時間内に、窓口又はお電話にてお問い合わせください)
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(5) 価格と回数
 
【生後6か月以上 3歳未満】 
 
    バイアルタイプ  ←  終了しました
 2600円

2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後がお勧めです)
必ず、『母子手帳』をご提出ください



【3歳以上 13歳未満】
水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
 バイアルタイプ シリンジタイプ
 3200円   3800円   
 ↑ (あと2人分)      ↑(あと3人分

2週間以上あけて、2回接種が必要です(3~4週間後をお勧めします)
小児は、必ず「母子手帳」をご提出ください(小学生は、できれば提出して下さい)




【13歳以上】
水銀の添加物を含まず、アレルギーなどの副作用が少ないタイプも選べます。
(製造数が非常に少ないです。在庫がなくなり次第、終了します)
バイアルタイプ シリンジタイプ
3200円       3800円 
 ↑ (あと2人分)       ↑(あと3人分
 
・原則として1回接種です 。
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
  但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種が可能な場合があります。


【公費助成を受けられる方】

期間は、令和4年10月1日~同5年1月31日(在庫が無くなり次第終了)
・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません
必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします
インフル公費5
 
窓口での負担は、1,300です。 
7インフル公費
 非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料です。
 期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
 苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
 市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
 

ワクチンは数に限りがある貴重なお薬です。
体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほど宜しくお願いいたします。
 
その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の窓口またはお電話でお願いいたします。
詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。

(下記のボタンをクリックすると、厚生労働省からのインフルエンザに関する情報が閲覧できます)
厚労省  
 (厚生労働省のホームページ)