月別アーカイブ: 2021年4月

【当クリニックの新型コロナウイルス対策について】

 こんにちは。
 たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの黒田です。
 

 新型コロナウイルスが世界中で流行し、日本でもようやくワクチン接種の準備が進んできましたが、世界各国で接種が進んでいるのに比べると、かなり遅れているのが現状です。
苫小牧市の新型コロナウイルスのワクチン接種に関する情報は、以下のバナーから見ることが出来ますので、ご参照ください。
 
   苫小牧市コロナ情報2
上記画像をクリックすると、HPにリンクします
 

 現在は、ワクチン開発と並行して、治療薬の開発も進められています。まだ治験段階で、本当の治療に使える段階ではありませんが、「予防」と「治療」の両輪が根付いて、早くマスクの要らない元の生活に戻れる日が来ることを期待しています。
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 ここで、マスクに関する情報をご紹介致します。
昨年10月に、豊橋技術科学大学が、スーパーコンピューターを使って以下のような解析を行っています。
 TV番組では、芸能人などが「マウスシールド」なる奇妙な物を装着していますが、未装着と何ら変わらないことが分かります。
また、使い回しが出来てデザインも豊富なことから「ウレタン製マスク」が広く使われていますが、「不織布マスク」ほどの効果はありません。
 状況に応じて使い分ける必要があるのかもしれません。
   マスクとフェイスシールドの効果
  (上記画像をクリックすると拡大表示されます
(国立大学法人豊橋技術科学大学Press Releaseより)

 

 昨年春先に、テレビやインターネットなどで、「耳鼻咽喉科を受診すると、新型コロナウイルスに感染する」という誤った情報が流れて、日本中に拡散しました。
 これをきっかけに、医療機関のうちでも、特に耳鼻科の定期通院をやめてしまったり、症状があっても重症化するまで我慢する方が増えてしまいました。
 当クリニックでも、定期受診が必要だったり、聴力や甲状腺の定期検査が必要だった患者さんが、新型コロナウイルスに感染するのが怖くて、受診しないで様子をみていたと言っておりました(今年になって、久しぶりに来院された方に理由をお聞きしたところ、このようにおっしゃっておりました)。
  佐々木希
上記画像をクリックすると、タレントの佐々木希さんからのメッセージが見られます



 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療機関はこれまで以上に感染防止対策に取り組んでいるところですが、これまで通院されていた方、生活様式が大きく変化し不調を来した方が感染リスクを恐れて、医療機関への受診を控えたり、先延ばしするといった現状があります。
 このような状況から、日本医師会では、患者さんが安心して医療機関に来院できるよう、感染防止対策を徹底している医療機関に対して、『新型コロナウイルス感染症等感染防止対策実施医療機関 みんなで安心マーク』を発行しています。

  日本医師会
上記画像をクリックすると、日本医師会の説明が見られます

当クリニックは、「感染症対策実施医療機関」です。
新型コロナウイルス感染症対策チェックリストに沿った対策を実施していますので、安心してご来院いただけます。

   みんなで安心


「病院へ行くと、新型コロナウイルスに感染する」という誤解をされる理由は、以下のようなものではないか、と考えています。

① 病院の施設そのものに新型コロナウイルスがいて、
  行けば感染する。
② 新型コロナウイルスに感染している患者が待合室にいる、
  もしくは、無症候性の小児や若年の感染者がいて、
  院内感染で新型コロナをうつされる。
③ 病院の医師やスタッフが、新型コロナ患者と接触していて、
  医師やスタッフから新型コロナをうつされる。

これらの誤解に関して、順にご説明させていただきます。

【 ① 病院に新型コロナウイルスがいるという誤解 】
 もちろん、院内に新型コロナウイルスはいませんし、徹底した対策を毎日行っています。
 当院の新型コロナウイルスへに対して実施している実際の取り組みをご紹介致します。受付・医師・看護師が、「院内感染防止のための様々な対策」を講じていることをご理解いただけると思います。

TEC感染対策
 上記画像のクリックで、当院の感染対策ページをご覧いただけます

 その他、鼻やのどの治療のためのネブライザー吸入治療も、この治療によるエアロゾル感染は生じないことが科学的に証明されており、世界的権威のある論文として発表されています。
 また、当院では、隣の方との間を分厚い木製のパーティションで区切って、距離を取り、飛沫感染の対策を実施していますので、安心して治療を受けていただくことが出来ます。
 もちろん、吸入治療スペースはこまめに消毒を行っています

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 下記以外にも、院内各所に感染対策を施していますので、ご覧いただけますと、安心できるのではないでしょうか。

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また、全ての患者さんに共通ですが、診察室に入ってからも、マスクは装着したままでお話しをして、鼻やのどをみる数秒間だけ、マスクを顎の下にずらして診察させていただいています。これも、院内感染を防ぐための対策の一環です。

   マスクは外さない


 

【 ② 新型コロナウイルスに感染している患者が待合室にいる、もしくは、無症候性の小児や若年の感染者がいて、院内感染で新型コロナをうつされるという誤解 】 

 病院を受診することで、「他人から新型コロナ感染症をうつされる」ことを心配している方が多数いらっしゃると思います。そこで、当院では院内感染防止の観点から、待合室で発熱患者さんと一緒になることが無いように、様々な工夫をしております。

 既に発熱中の患者さんには、来院せずに、まずは電話で相談していただき、その内容をお聞きした上で、来院していただくかを判断させていただいております。少しでも新型コロナ感染症の可能性のある方が待合室にいない状況を作るためです。受診している方が、院内感染の心配をせずに、安心して来院できる環境作りのためですので、ご理解のほどをよろしくお願いいたします。
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       クリックすると拡大表示されます

 直近2週間以内で発熱のあった方は、状況次第では、苫小牧市の「新型コロナPCR検査センター」を先に受診していただき、検査翌日の午前中には結果が判明しますので、新型コロナウイルスの陰性が証明されてから受診していただいたりするなど、徹底した院内感染対策を行っております。
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 また、当院を受診した際には、受付で全ての患者さんの検温を行っております。来院前の自宅での検温で正常だった方も含めて、全ての来院者に実施させていただいております。今では、日本中のショップやレストランでも、定着している「非接触型の体温計」での検温を使用しております(症状によっては、消毒殺菌済みの体温計で、再度検温することもあります)。

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 さらに、乳幼児の患者さんは、マスクの装着を嫌がると思いますが、当院では院内に入られる全ての方にマスクの着用をお願いしております。申し訳ありませんが、来院前に乳幼児用マスクを準備してきていただくか、受付にご相談ください。
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 乳幼児は、病院に来たという恐怖心だけで、泣きやまなくなってしまうことも多く、泣き叫んで咳き込みながら、待合室で過ごしていることも多々あるかと思います。
 新型コロナの流行前までは、乳幼児のマスク装着は不要としていました。しかし、新型コロナウイルスの流行している現状では、飛沫感染による他の患者さんへの院内感染を予防するために、「乳幼児でもマスク装着を必須」とさせていただいております。
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 待合室には免疫抑制剤が投与されている方や、心臓や腎臓などに持病をお持ちの方、ご高齢の方など、感染症に罹患すると重篤化してしまう患者さんも、いらっしゃいます。小さなお子さんをお連れの保護者の方にはご面倒をおかけ致しますが、「全ての患者さんが安心して受診できる環境」を作るために、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
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【 ③ 病院の医師やスタッフが、新型コロナ患者と接触していて、医師やスタッフから新型コロナをうつされるという誤解 】
  
 受診する側と、医療機関側の両方が、しっかりとマスクの着用・手指消毒・検温などの感染対策を行っている限り、耳鼻咽喉科クリニックの受診で新型コロナウイルスに感染することは考えにくいと思われます。
 当院スタッフは全員、1日2回の検温を行い、感染予防のための特殊な不織布マスク(サージカルマスク)を装着して、こまめに手指消毒を行っています。体調不良者は出勤していません。
 「感染症対策実施医療機関」の基準を満たした医師とスタッフですので、安心して病気のご相談をしていただけます。

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 当クリニックでは、今後も上記の感染対策を継続して、安心して受診できる環境を整えて参ります。また、少しでも早く新型コロナ感染症が収束して、元の生活に戻れる日を願っております。
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【ハンノキ花粉症が終わり、シラカバ花粉症が始まります】

 こんにちは。
 たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの院長の黒田です。
 
 今年は2~3月の気温が観測史上で最高を記録して、雪が積もることも路面が凍結することも無く、暖かい春の陽気を感じる日が続きました。
 気温上昇の影響で、春の花粉が例年よりも早く飛散しており、飛散量も多くなっています。
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 例年は、3月の雪解けの頃に飛散する「ハンノキ」の花粉が、今年は3月初めから大量に飛散しています。
 既に血液検査で自分が「ハンノキ花粉症」であることを知っている患者さんは、3月中に来院してアレルギー性鼻炎の治療を開始しています。
 
 実際の飛散量は以下の通りです。
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上の図をクリックすると拡大表示されます
   (北海道立衛生研究所のHPより)
 
 花粉症では、「鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ」などの症状が強く出る傾向があります。
   
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 また、鼻風邪と花粉症を区別することは重要です。
 花粉症の場合には、風邪薬では効果が無いことが多く、また、適切な薬剤を選択しなければ、十分な効果が得られません。
 アレルギー性鼻炎かどうかを調べて、実際に鼻の中を見てもらって、専門医から適切な処方を受けることが大事な理由は、ここにあります。
     
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 そろそろ「ハンノキ」の花粉症は一段落して、今後4月中旬~5月いっぱいは「シラカバ」花粉症の時期になります。
 今年の北海道のシラカバ花粉症ですが、以下の通り、花粉の飛散量は例年並みとの予報が出ています。
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 (上の図をクリックすると拡大表示されます
    (日本気象協会のHPより)
  
 ちなみに、昨年のシラカバ花粉の飛散は、以下の通りでした
(今年は、4/16現在、まだ報告はありません)。
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 (上の図をクリックすると拡大表示されます
   (北海道立衛生研究所のHPより)
 
 ゴールデンウイーク頃をピークに、非常にたくさん飛散していたことが分かります。気温次第でピーク時期が前後するのでしょうが、今年も多数の飛散が予想されます。
 検査を受けて、自分が「シラカバ花粉症」と分かっている人は、まだ発症前であっても、「もうすぐシラカバ花粉の時期なので」と、お薬を受け取りに来ている方が多数いらっしゃいます。
 自分の「体質」が分かってることのメリットは、このあたりにあります。

 自分の症状が「花粉症」に似ていて、まだ一度も検査を受けたことが無い方は、耳鼻咽喉科専門医を受診して、花粉症を含めた「アレルギー検査」を受けることをお勧め致します。
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 花粉症のときには、気道の過敏性が亢進して咳も出やすく、「アトピー咳嗽(がいそう)」といわれる「一度始まるとなかなか止まらない咳」を合併することもあります。
 そして、鼻水が多くなると後鼻漏(こうびろう)も増えるため、後鼻漏による咳が加わって、さらに症状が悪化することがあります。
 この場合には、風邪用の咳止めでは無く、花粉症用の咳止めを使用すると効果的です。
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 鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの鼻症状については、耳鼻咽喉科専門医の受診をお勧めいたします。
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