【ハンノキ花粉症が終わり、シラカバ花粉症が始まります】

 こんにちは。
 たくゆう耳鼻咽喉科クリニックの院長の黒田です。
 
 今年は2~3月の気温が観測史上で最高を記録して、雪が積もることも路面が凍結することも無く、暖かい春の陽気を感じる日が続きました。
 気温上昇の影響で、春の花粉が例年よりも早く飛散しており、飛散量も多くなっています。
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 例年は、3月の雪解けの頃に飛散する「ハンノキ」の花粉が、今年は3月初めから大量に飛散しています。
 既に血液検査で自分が「ハンノキ花粉症」であることを知っている患者さんは、3月中に来院してアレルギー性鼻炎の治療を開始しています。
 
 実際の飛散量は以下の通りです。
 2021ハンノキ
上の図をクリックすると拡大表示されます
   (北海道立衛生研究所のHPより)
 
 花粉症では、「鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ」などの症状が強く出る傾向があります。
   
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 また、鼻風邪と花粉症を区別することは重要です。
 花粉症の場合には、風邪薬では効果が無いことが多く、また、適切な薬剤を選択しなければ、十分な効果が得られません。
 アレルギー性鼻炎かどうかを調べて、実際に鼻の中を見てもらって、専門医から適切な処方を受けることが大事な理由は、ここにあります。
     
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 そろそろ「ハンノキ」の花粉症は一段落して、今後4月中旬~5月いっぱいは「シラカバ」花粉症の時期になります。
 今年の北海道のシラカバ花粉症ですが、以下の通り、花粉の飛散量は例年並みとの予報が出ています。
 花粉2020_例年比
 (上の図をクリックすると拡大表示されます
    (日本気象協会のHPより)
  
 ちなみに、昨年のシラカバ花粉の飛散は、以下の通りでした
(今年は、4/16現在、まだ報告はありません)。
 2020shi
 (上の図をクリックすると拡大表示されます
   (北海道立衛生研究所のHPより)
 
 ゴールデンウイーク頃をピークに、非常にたくさん飛散していたことが分かります。気温次第でピーク時期が前後するのでしょうが、今年も多数の飛散が予想されます。
 検査を受けて、自分が「シラカバ花粉症」と分かっている人は、まだ発症前であっても、「もうすぐシラカバ花粉の時期なので」と、お薬を受け取りに来ている方が多数いらっしゃいます。
 自分の「体質」が分かってることのメリットは、このあたりにあります。

 自分の症状が「花粉症」に似ていて、まだ一度も検査を受けたことが無い方は、耳鼻咽喉科専門医を受診して、花粉症を含めた「アレルギー検査」を受けることをお勧め致します。
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 花粉症のときには、気道の過敏性が亢進して咳も出やすく、「アトピー咳嗽(がいそう)」といわれる「一度始まるとなかなか止まらない咳」を合併することもあります。
 そして、鼻水が多くなると後鼻漏(こうびろう)も増えるため、後鼻漏による咳が加わって、さらに症状が悪化することがあります。
 この場合には、風邪用の咳止めでは無く、花粉症用の咳止めを使用すると効果的です。
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 鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの鼻症状については、耳鼻咽喉科専門医の受診をお勧めいたします。
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