こんにちは、院長の黒田です。
前回のブログでは、9月中旬時点で既に、「新型コロナ感染症」と「インフルエンザ感染症」が非常に増えており、インフルエンザ感染症は季節外れのこの時期に、「流行入り」が全国の都道府県で発令されていることを御説明いたしました。
この秋~冬の発熱では、ワクチン接種歴に関わらず、新型コロナウイルスとインフルエンザの見分けが重要となり、また、両者の合併例も考えられます。両者では、治療薬も、自宅療養期間も異なります。
したがって、今シーズンは両方のウイルス感染症を念頭にいれておく必要があります。
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また、当院では、今年の上記の異例な状況に対応するために、「インフルエンザワクチン」の予約と接種を早期から行うことにいたしました。接種できない特別な理由のある人を除き、できるだけ多くの人に、早期からインフルエンザワクチンを受けていただくことをお勧めいたします。
既に上記の情報をご存知の方も多数いらっしゃり、みなさんの感染症への意識も高まっていることから、9月中に既に予約をされている方が多数いらっしゃいます(9月22日現在で既に100名弱です)。
接種の予約時期が遅くなり過ぎて「接種を希望しても医療機関にワクチンの在庫が無く、受けられなかった」、予約するのを忘れて「1回目の接種を受けたのに、2回目が受けられなかった」という事が無いように、早めに接種の計画を立てていただくことをお勧めいたします。
【接種の年齢と回数】
(1) 6か月以上3歳未満 1回0.25ml 2回接種
(2) 3歳以上13歳未満 1回0.5ml 2回接種
(3) 13歳以上 1回0.5ml 原則として1回接種(特別な事情があれば2回接種)
※ 生後0~6ヵ月まではワクチンを接種しても抗体が増えず、有効性が確認されていないため、ワクチン接種の対象となっていません(接種希望があっても接種できません)
※ 1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を受けて構いません。
※ 2回接種する場合は、腕の腫れを減らすため、左右交互に打つことが勧められています。
※ 一般に、13歳以上では1回接種で十分な免疫が得られるとされています。
但し、13歳以上でも基礎疾患(慢性疾患)のある方で、著しく免疫が抑制されている状態にあると考えられる方などは、医師の判断で2回接種が可能な場合があります。
【ワクチン接種のおすすめ時期】
インフルエンザワクチンは接種後2週目から抗体が上昇し始めて1ヵ月でピークに達し、その効果は約5ヵ月間持続します。2回接種が必要な場合、1回目の接種で抗体がピークに達している1か月後に追加接種した場合に、最も抗体が上昇します。2回目の接種はこの頃に受けるのがよいでしょう。
(接種間隔は2~4週とされていますが、免疫効果を考えると、2回目は4週間後が望ましいです)。
以下は当院として推奨するワクチン接種スケジュールの例です。
今年は、例年とは異なり、既に「インフルエンザの流行」が始まっていますので、できるだけ早期に接種を済ませておいた方が良いと思われます。
遅くとも11月末までには最後の接種を済ませておくことをお勧めいたします。
(12歳以下)
1回目 10月中旬~11月上旬
↓(2~4週後)
2回目 11月中旬~12月上旬
(13歳以上)
10月中旬~12月上旬
ワクチン接種後の効果の持続期間ですが、一般的には、2回の接種後1か月で77%が有効予防水準に達し、接種後3ヶ月で有効抗体水準は約78.8%と維持されていますが、接種後5ヶ月では約50.8%まで減少すると言われています。
つまり、最後の接種が11月上旬の方は、2月上旬までは約80%、4月上旬までは50%の抗体が維持されます。
【他の予防接種との間隔】
令和2年からは、接種間隔の決まりが変わりました。
「生ワクチン→生ワクチンだけは、間隔をあける必要があります」が、それ以外は間隔をあける必要が無く、同時接種も可能となりました。
インフルエンザワクチンは「生ワクチンではなく、不活化ワクチン」ですので、他の一般的な予防接種との間隔を気にせずに、接種することが出来ます。
詳しくは、下記の資料をご覧下さい。
(下記資料は、クリックで拡大します)
また、「新型コロナワクチン」と「インフルエンザワクチン」の同時接種も可能です。
但し、「同時接種を行う場合には、それぞれ違う腕に接種すること」とされております。
片腕に「インフルエンザ」、もう片方の腕に「新型コロナ」と、両腕に接種することになり、接種による副反応(痛み、腫れ、発熱など)も、2つのワクチンによる物が同時に生じることになります。
よって、法律的には同時接種は可能ですが、当クリニックとしては、「インフルエンザ」と「新型コロナ」のワクチン接種を同時に受けることは、推奨は致しません。
(下記の画像をクリックすると拡大表示されます)
【妊娠中・授乳中の接種】
妊婦または妊娠している可能性のある場合には、「予防接種の有益性が、危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること」となっています。よって、万が一の危険性を心配される方は、接種を控えたほうが良いと思われます。
妊娠中の方は、通院中の産科担当医にご相談されることをお勧めいたします。
「接種は問題が無い」と言われた妊婦さんは、当院でワクチン接種が可能です。
一方、授乳期間中は、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは「不活化ワクチン」というタイプで、ウイルスの病原性を無くしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることが無く、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。
授乳期間中にインフルエンザに罹患してしまった場合、授乳を続けながら治療薬(タミフル・イナビルなど)は使用出来ません。なので、授乳しながらでも受けられるワクチン接種による予防をお勧めいたします。
【当クリニックの予防接種】
(1)詳細は、HPのお知らせをご覧下さい。
(下記バナーをクリックすると、HPのお知らせが閲覧出来ます)
(2) 経鼻ワクチンは行っていません。
安全性を確保するために、従来型の注射ワクチンのみです。経鼻ワクチンが「推奨されるワクチン」として国が認可した場合には導入いたします。来年度には、特定の年齢を対象に、正式に認可される予定です。
(3) 小児は、誤接種を防ぐために「母子手帳」を必ず持参して下さい。
持参の無い場合、安全を重視して、接種はできません。
(4)接種開始日は、10/10(火)です。
『完全予約制』です。
(在庫がなくなり次第終了いたします)
(5) 予約方法
今シーズンから、予約の利便性を高めるために、
「インフルエンザワクチンのインターネット予約」
を10/1から開始いたします。
24時間、スマホやPCから予約が可能ですので、とても便利かと思いますので、是非ご利用ください。
10/1までは、
・従来通りに電話や受付窓口で予約(診察時間内)。
・インターネット予約に備えて、必要な情報だけ入力しておき、
10/1以降には、インターネットで日程を予約するだけの状態にしておく。
のどちらかになります。
(上記バナーをクリックで、予約画面へ)
(6) 価格
【3歳以上】
シリンジ製剤(3800円)
(特徴)
・水銀の保存料無し
・既に注射器に入っているので無菌状態
・すぐに接種出来る製剤で異物混入がない
・1人で使いきりなので清潔
・万が一、都合による日程変更の際も、取り置き可能
・流通量が少なく、上記のメリットがあるので、価格が割合高い
【6ヶ月~3才未満】
【公費助成を受けられる方】
バイアル製剤 (2600円)
(特徴)
・水銀の保存料あり
・1本のバイアルから必要量を注射器に詰める
・バイアルからワクチンを抜き取る際に異物混入があり得る
・1本のバイアルを、複数の他人と使い回します
・体調不良や風邪で、日程変更や接種不可の際は、予約はキャンセルになります。
(空きがあれば、再度予約日程の取り直しは可能)
・流通量が多く、原価が安いので、接種価格も安い。
(公費助成を利用する方で、シリンジ製剤を希望の方は、電話で御相談ください)
【公費助成を受けられる方】
・期間は、令和5年10月1日~同6年1月31日(在庫が無くなり次第終了)
・下記に該当する方は、公費助成が受けられます。
・氏名・年齢・住所を確認できる身分証明書や、必要な手帳をお持ちでない場合には、公費助成は受けられません。
・必要書類をお忘れの方は、持参のうえで再来院をお願いいたします。
窓口での負担は、1,300円です。
非課税世帯の方でも、生活保護世帯以外の方は有料です。
期間外の接種は、対象外となりますのでご注意ください。
苫小牧市に住んでいても、苫小牧市に住民登録が無い場合は対象外となります。
市外の医療機関で接種したときなど、全額自己負担で接種された方への補助はありません。
ワクチンは数に限りがある貴重なお薬です。
体調を崩したり、都合が悪くなって予約をキャンセルされる際には、早めにご連絡いただけますと、貴重なワクチンが無駄にならずに済みます。御協力のほど宜しくお願いいたします。
その他、インフルエンザの予防接種に関するお問い合わせは、遠慮なく、当院の窓口またはお電話でお願いいたします。詳細については、下記の厚生労働省のHPに記載がありますので、ご参照下さい。
(下記のバナーをクリックで、厚生労働省からの情報が閲覧できます)
(厚生労働省のホームページ)
(7)その他
診察時間内に、窓口又はお電話にてお問い合わせください)
(TEL) 0144-53-5800