夏風邪のヘルパンギーナが増えています。

こんにちは。
院長の黒田です。
 
お子さん達は夏休みが終わり、幼稚園や学校に通い始めているかと思います。大人もお盆休みが終わり、お忙しい毎日かと思います。
リオ・オリンピックが終わり、続々と台風が来て雨降りばかりの毎日で、夏らしくないですね。カラッと晴れた日が待ち遠しい8月です。
  
 
さて、従来はこちらの「ブログ」で、病気の流行状況などをご案内しておりましたが、昨年からは、より迅速で確実な情報伝達のために、「Facebook(フェイスブック)」を利用して、各種のご案内をしております。
しかし、全ての患者さんが「Facebook」を利用しているわけでは無く、また、インターネット自体を使用していない方も沢山いらっしゃるかと思います。
 
あらためて、こちらのブログにて情報発信をさせていただきますが、もし機会がありましたら、「Facebook」に登録して、当院のページに「いいね」のボタンを押してみてください。新しい情報や、臨時休診の案内、受付時間の変更案内などがあった際には、新着情報ありの「お知らせ」マークが出るので、見逃すことが少なくてお役に立てるかと思います。
 
下の「いいね!」のボタンをクリックして頂けると、以下の当クリニックのFacebookページに移動します(課金されたり、何かに登録されることはありませんので御安心ください)。
実際のページで、クリニック外観写真の直下にある「いいね!」を押すと、新着情報をチェックできるようになります。

 

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既に「Facebook」では、紹介させていただいてから日数が経ってしまいましたが、あらためて病気の情報をご紹介いたします。
昨年ほどではありませんが、今年も夏風邪の患者さんが増えています。
夏風邪と言えば、「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜熱」の3つが有名です。
 
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーA型ウイルスによる感染症ですが、その他のウイルスが原因となることがあります。
「おたふく風邪」や「水疱瘡(みずぼうそう)」とは異なり、一度罹患(りかん)しても何度も繰り返して罹患することがあります。原因ウイルスが複数存在するために、終生免疫を得るのが難しいからです。
症状の多くは、38-39℃の高い発熱です。咽頭痛を伴うこともあります。
下の写真の様に口蓋垂(のどちんこ)の周りに水疱(すいほう)を認めることで、診断されます。

 
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子供でもしっかり口を開けてくれる場合には、このようにはっきりと確認できます。
 
 

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この患者さんは、「扁桃炎でのどが痛い」とのことで来院されましたが、扁桃には異常が無く、ヘルパンギーナの診断となりました。扁桃に近い場所の病変なので、自覚症状だけでは区別が難しいですね。
 
 

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乳幼児だと、「のどが痛い」と言ってくれず、発熱と食欲低下のみで、保護者の方も困ってしまうことがあります。この子供さんも、発熱と元気が無いとのことで来院しましたが、「ヘルパンギーナ」と診断されました。
口を開けてくれなかったり、病変が小さい場合には、分かりにくいこともあります。しかし、しっかり開口すると、口蓋垂の周りに粘膜疹があるのが分かります。
 
 
「手足口病」でも同様の所見が見られますが、手足口病ではその名の通りに手や足などの全身に皮疹が出ることが特徴です。
「ヘルパンギーナ」と診断されても、後になってから手足に皮疹が出てきたために、「手足口病」と診断名が変わることも少なくありません。
今年は、当院に「手足口病」の患者さんは一人も来ていませんが、他の医療機関を受診している方がいるのかもしれません。
 
どちらも特効薬というのはありませんが、高熱があれば座薬や内服薬などでの解熱を行い、十分に水分を摂取して、安静にすることが大事です。
ウイルスが原因ですので、抗生物質は効きません(抗生物質は「細菌」には効果がありますが、「ウイルス」には無効です)。

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発熱は3日程度で落ち着くことが多いので、心配はありません。
また、感染を防ぐためには、手洗いやうがいをこまめに行うことが重要です。
 
保育所や幼稚園で流行することが多く、罹患した子供が家庭内で、更に感染を広げてしまうことがあります。ヘルパンギーナや手足口病と診断されても、登校・出席停止の義務や法律はありません。なので、まだウイルスを排出しているお子さんが、会話や咳などを通じて、集団生活の中で他の子供たちに感染を広げてしまうことが避けられないのです。
なので、診断を受けた場合には、マナーとしてマスクをつけて、更なる感染を広げない様にするのが良いと思います。夏場なのでマスクの装用は暑苦しいですし、義務もありませんが、周囲に対するエチケットと考えていただけると幸いです。

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特に小さな乳幼児が家庭にいる場合には、お兄ちゃん・お姉ちゃんから感染をもらわない様に、保護者の方が注意することが必要です(風邪症状のある子供には、手洗い・うがい・マスク装用をさせましょう)。
これらの夏風邪は、大人ではあまり見られませんが、免疫力の低下した大人にうつることもあります。ヘルパンギーナの子供さんを看病したお父さん・お母さんは、要注意ですね。
 
夏風邪症状でお困りの際にも、遠慮無く、耳鼻咽喉科専門医へご相談ください。