こんにちは。
院長の黒田です。
土日は、久しぶりに青空が広がったので外出しましたが、もはや真夏の暑さでは無く、秋空の雰囲気でした。赤とんぼが沢山飛び交う様子に、秋の到来をひしひしと感じました。
さて、今回は、いつもの、「病気」のお話ではありません。
このブログをご覧の方は、スマートフォンや、PC、モバイル端末をお使いの方でしょうから、医療機関を選ぶ際には、インターネットで検索することが多いかと思います。
体調が悪くなった際には、キーワードを入れて、googleやyahoo等で検索されるのではないでしょうか。
(例)「苫小牧」「めまい」や、「腹痛」「発熱」などのキーワードを入力して調べる。
その結果を見て、自分が受診したいと思った医療機関へ行かれるかと思います。
そして、自分の病気や症状のことを調べてみようと思い、色んな医療機関のホームページを見ているうちに、最後には、自分の症状や病気が、その医療機関のみでしか治療できないような気持ちになったことは無いでしょうか?
医療機関のホームページは、内容が充実している物が多く、患者さんが調べたい情報が豊富に揃っていることもありますが、ちょっと注意が必要です。何でも掲載して良いかというと、そうではありません。以下に政府広報のページからの転記を貼り付けていますが、医療機関のホームページには、「ガイドライン」という物があり、これに沿ったホームページでなければなりません。
掲載すべきでないものとして、以下があげられています。
(1)
【客観的事実ではないもの】
(例)○○治療は、非常に効果があります ←人により効果は異なり、証明できません。
○○治療は、〇倍効きます ←人により効果は異なり、〇倍を科学的に証明できません。
〇〇治療は、合併症や副作用がありません ←100%を保証する治療は無いでしょう。
(2)
【比較広告】(特定又は不特定の他の医療機関と自らとを比較し、優良である旨を示す表現)
(例)〇〇治療を行えるのは、当院だけです。 ← 他では行えない事を証明できない。
〇〇施設があるのは、当院だけです。 ← 同上
(3)
【医療機関にとって都合の良い情報などの過度の強調】
(例)「他の病院では治らなかったのに、〇〇医院の〇〇治療を受けたら、治りました。」
← 他の医療機関での治療の効果が出てきたのかもしれません。
自然に治る病気もあります。本当に〇〇治療の効果でしょうか。
架空の人物の体験談で、病気が治るような誤解を招いてはいけません。
全員が治るのでしょうか? 効果が無い人は皆無なのでしょうか?
(4)
【早急な受診を過度にあおる表現】
(5)
【科学的な根拠が乏しい情報に基づき、国民・患者の不安を過度にあおるなどして、医療機関への受診や特定の手術・処置などの実施を不当に誘導するもの】
(例)「〇〇注射を受けなければ、病気で後遺症が残ります。」
← 客観的データが無く、不安をあおる内容。
「〇〇治療は効果が高く、お勧めです」
← 特定の手術・処置などの有効性を強調する誘導で、客観的データがありません。
(6)
【公序良俗に反するもの】
(7)
【医療法以外の法令で禁止されるもの】
以上です。
これは、私の個人的意見では無く、政府、厚生労働省が定めたものです。
当クリニックのホームページでは、このガイドラインを遵守して作成されています。
よって、客観的事実では無い表現は、使用していません
(「当院の〇〇で治療を受ければ治ります」や、「この医療機器は当院にしかありません」、「この治療を行えるのは当クリニックだけです」、「必ず〇〇します」、「最新の医療設備」、「最新の治療」など)。
「最新の治療法」や「最新の医療機器」であることが、医学的、社会的な常識の範囲で、事実と認められるものであれば、ホームページ上で「最新」と記載することは、必ずしも禁止されるものではありません。但し、登場してから何年までを最新と認めるか、等の基準を示すことが困難です。
また、ガイドライン上で記載すべきでは無い項目がたくさん出てくるようだと、問題があると思われます。
医療の進歩はめざましく、最新の治療は日々開発されていますし、良い治療はどんどん取り入れられています。
ですから、私は自分のクリニックが一番優れているとは、決して思っていません。
開院して3年を迎えましたが、病気に対して真摯に向き合うよう改めて気を引き締めると同時に、「新しい知識」「新しい技術」から取り残されていかないよう、医学書を読んだり、学会・講習会・講演会に積極的に参加して研鑽を積むように心がけています。
そのために、休診日が生じたり、臨時的に受付時間の短縮をお願いしていることは、通院中の患者さんには、大変申し訳ないと感じております。
但し、学んだことは日々の診療に反映して、それに見合うだけの診療内容に高めていきたいと考えていますので、ご理解のほどをお願いいたします。
耳鼻咽喉科疾患とは、何ら関係の無い、非常に長い文章になりましたが、医療機関受診のお役に立つことができれば幸いです。
参考までに、以下に「政府広報オンライン」を貼り付けておきます。
医療機関のホームページ上に、ガイドラインで掲載すべきで無い内容が多数あり、その内容に疑問点がある場合には、参考にして頂けると幸いです。
医療機関のホームページに掲載する表現はガイドラインに沿っていなければなりません
不適切な内容や表現を発見したら都道府県へ通報を
平成25年4月15日
医療機関のホームページについて、その記載内容と実際の受診時における説明や対応が異なるといったトラブルが問題となっています。そこで、受診する人の保護や正確な情報提供という観点から、平成24年9月に「医療機関ホームページガイドライン」が作成されました。医療機関のホームページの閲覧の際には、ガイドラインを参考にしながら、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。
ホームページ上の不適切な表現をきっかけとした医療トラブルが発生
受診する医療機関を選ぶ際にはインターネットで情報を入手する、という方もいるのではないでしょうか。そのためには、医療機関からの正しい情報提供が不可欠です。
しかし、ホームページに掲載されている情報をきっかけとしたトラブルが発生しています。「『100%効果あり』とのうたい文句の点滴を受けたが効果がない」など、ホームページに掲載されている情報を契機としたトラブルも問題となっています。
広告規制の対象外となる医療機関のホームページ
医療は人の生命・身体に関わる極めて専門性の高いサービスである、という考え方から、受診する人の保護の観点に基づき、厚生労働省によって「医療広告ガイドライン」が既に作成されていました。客観性・正確性をみたすものについては、「(医療法の規制範囲内で)医療に関する広告」が認められています。
医療広告ガイドラインの概要
禁止される広告
• 広告が可能とされていない事項の広告
• 虚偽広告
• 比較広告
• 誇大広告
• 広告を行うものが客観的事実であることを証明できない内容の広告
• 公序良俗に反する内容の広告
• その他、薬事法などの他法令やそれに関連する広告の指針に抵触する内容の広告
但し、医療機関の「ホームページ」については、その情報を得ようとする方が自らアクセスして閲覧するなどの事情から、バナー広告等とリンクするものを除き、「広告」とは原則見なされていません。
しかし、医療機関のホームページに掲載されている情報を契機とするトラブルが発生しているため、虚偽・誇大な表現など不適切な情報提供による不当な誘引を防ぐとともに、客観的で正確な情報提供により国民・患者の皆さんが適切に内容を理解し、治療を選択できるように努めるという観点から、平成24年9月に、厚生労働省によって新たに「医療機関ホームページガイドライン(医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針)」が定められ、ホームページ上にある不適切な表現の改善を図ることとされました。
医療機関のホームページに「掲載すべき事項」「掲載すべきでない事項」
ホームページに掲載すべきではない事項の具体例は次のとおりとされています。
このガイドラインによって、医療機関ホームページ上における不適切な内容に対して、行政指導ができるようになりました。
皆さんも今後、不適切な情報に惑わされないために、医療機関のホームページがガイドラインに従った適切な表現であるかどうか、ご注意ください。
もし、疑わしいホームページがあれば、お住まいの都道府県の医療課や医務課にご相談ください。
(政府広報オンラインより)